LOG2

□十二月の腐れ縁
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(お題:彩街様より)





※原作完結後

総帥とケンカして(と言うか一方的に叱られて)、禁煙を言い渡されたのを何度も見た。
ドクターと賭けをして(勝てる見込みなんて無いのに)、負けた罰ゲームだと禁煙を課せられたのも何度も見た。
ただただ気紛れに禁煙を試みては、2時間もたずに諦めたのも、何度も何度も見た。

隊長と言えば、煙草(その次に酒)。
こんな南の孤島でだって、何だかんだで調達してきて毎度毎度くわえていた。
ひょっとしたら手作りしてたのだろうか。サボテンすら枯らしてしまいそうなズボラなオッサンだけど、好きな物の為にはそのくらい惜しまなかったのかもしれない。
実際は多分、いや、絶対にマーカーかGが頑張ってたんだろうけど。

――で、こう思った。
「なーんか煙草と俺、似てません?」
「はァ?」
思ったことを口に出したら、思った通りハーレムの顔には「何言ってんだコイツ」と書いてある。
「いや、なんつーか、腐れ縁ってゆーか」
煙草の葉をちまちまと紙で巻きながら、俺は言葉を続ける。たまに純正品をマーカー達が差し入れてくれるけど、絶対的に量が足りないから普段はこうして手作りだ。
勿論ハーレムは手伝ってくれない――訳では無く、とりあえず水やりだけは彼の日課になっている。
「ホラ、何回も何回も離れて。でも何度でも一緒になる辺りが」
「時々お前の発想が分かンねェわ」
呆れたような顔半分、もう半分は何故だか嬉しそうな顔で、俺は首を傾げた。
「――ま、確かに煙草とは腐れ縁だがよォ、お前は違ェよ」
「違うの?」
「良縁ってヤツだろ、どう考えても」

どう考えても

その一言に、さっくりとハートをブチ抜かれた俺は。

「ねえ」
「あん?」
「だいすき」
「……何だよ急に」
「何でもいい。急じゃない。だいすきっす」
すきだすきだと繰り返しながら、作業中だった手元を放り出して抱き着いた。
はじめは目を白黒させていたハーレムの、彷徨わせてた両腕をすぐに背中に感じて俺は目を閉じる。

【押し倒されるまであと5秒】

――――――――――

煙草がまた値上げということで。
私の愛飲してるマルボロはワンコインの大台に乗りそうです。

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