空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第二十三訓 脇だけ洗っときゃいいんだよ 脇だけ
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愛は買い物をしていた。

すると、神楽と女の子がベンチで話している。



『か〜ぐらっ!』



「わぁっ!愛 びっくりしたヨ。」



「こ…こんにちは…。」



愛の登場に驚くも、神楽は笑顔で話す。



「紹介するネ。
今日一日友達になった、そよちゃん。」



『愛っす。よろしく。』



神楽とそよが愛も一緒にと言いだし、二人についていくことにした。



博打をしてお金を稼ぎ、駄菓子屋でお菓子を買ったり、パチンコ屋で遊んでみた。
他にも、釣りをしたり、チンピラから金を巻き上げたり、プリクラを撮ったりした。



「スゴイですね〜。」



現在はだんご屋で食べている。



「女王サンは私より若いのに色んなこと知ってるんですね。
愛サンは…。」



「まーね、愛は銀ちゃんが博打とかパチンコには連れてかないからアル。」



『銀時が神楽にあんなとこ教えてたなんて…。』



「あとは一杯ひっかけて【らぶほてる】になだれこむのが、今時の【やんぐ】ヨ。

まァ。全部、銀ちゃんにきいた話だけど。」



『また銀時は……。帰ったら容赦しないっす。』



すると、そよは悲しそうにぽつりと呟いた。



「女王サン達はいいですね、自由で。

私、城からほとんど出たことないから、友達もいないし外のことも何もわからない。」



『……城って。』



「私にできることは遠くの街を眺めて思いを馳せることだけ…。

あの街角の娘のように、自由にはね回りたい。自由に遊びたい。

自由に生きたい。

そんなこと思ってたら、いつの間にか城から逃げ出していました。」



『そよ…あんたまさか。』



「でも、最初から一日だけって決めていた。
私がいなくなったら、色んな人に迷惑がかかるもの…。」


「その通りですよ。さァ、帰りましょう。」



上から声をかけられたと思ったら、土方がいた。



『十四郎…。』



「よう。」



そよはイスから立ち上がる。



しかし、その表情は曇っている。

その事に気付いた神楽がそよの腕を掴む。



「何してんだテメー。」



ニタっと神楽が笑い、だんごの串を吹き矢のように土方に飛ばす。

それに土方が気をとられている間に、神楽はそよを連れて逃げる。



「オイッ、待てっ!!

確保!!」



土方の指示により真選組の人間が、至るところから出てくる。



「ぬァアアア!!どくアルぅぅ!!」



神楽はパトカーを踏み台にして、屋根の上に上がる。


「姫をかかえて屋根に飛びあがりやがったぞ!!」



それを追いかけようとする隊士達に、愛が待つようにお願いする。



「愛さん!
ってことは…ありゃ万事屋のトコのチャイナ娘じゃないのか?
何故、姫と。」



『ちょっと色々あって。
…って、総悟!?』



「ちょっとォ!総悟君!
何やってんの、物騒なモン出して!」



近藤の隣にいた沖田はバズーカを用意していた。



「あの娘には花見の時の借りがあるもんで。」



「待てっ!!
姫に当たったら、どーするつもりだァ!!」



「そんなヘマはしねーや。
俺は昔スナイパーというアダ名で呼ばれてたいたら、いいのにな〜。」



「オイぃぃぃぃ!!
ただの願望じゃねーか!!」



そのまま沖田と近藤は言い合いをしている。



『十四郎、くわしく教えて。』



「知らないで一緒にいたのか…。

あのお方は将軍の妹君…この国の姫さんなんだよ。」



『やっぱりか…。
どっかで見たことあると思ったんすよ。』



土方は呆れながら訊く。



「わかったら協力しろ…お前んトコの従業員だろ?」


『いやっす。』



「はぁ?」



土方はまさかの返答に驚く。



『あれは神楽と友達の問題だよ。
誰にも手出しさせない。

それに、神楽はバカじゃないっすよ。』



それでも土方は神楽に呼びかける。



「チャイナ娘、出てこい!!
お前がどうやってそよ様と知り合ったかは知らんが、そのお方はこの国の大切な人だ。

これ以上俺達の邪魔をするなら、お前もしょっぴくぞ。
聞いてるか!」



少しすると、そよだけ出てきた。



『そよ…ごめんね。それと、ありがとう。』



「女王サンと約束しました。
だから、愛さんも私と約束して下さい。


私とずっと友達でいて下さい。」



『なに言ってんすか、当たり前じゃん。
あとこれ、大事にしてね。』



愛の渡した小さな袋の中には、三人で撮ったプリクラが入っていた。








ニュースでは酢昆布ブームを特集している。



「へぇー、
酢昆布好きのお姫様ですって。」



「バカ、おめっ。
ウソに決まってんだろ、あんなの。

ありゃ庶民派のイメージ出して、親近感もたれよーとしてんだって。」



銀時はソファーで寝る神楽を見て言う。



「どーせ城じゃあフォアグラ三昧よ。
きっと寿司の上に寿司のせて食べてるよ。

見ろお前、本物の酢昆布娘を。

寝顔からビンボ臭さが流れ出てるだろ。
これが本物って奴だよ。」



『そうでもないよ。』



愛は銀時に言う。



『女の子なんて育ちが違っても同じっすから。』



そんな愛の財布の中、そして神楽の傘の柄に三人で撮ったプリクラが貼られていた。



第二十三訓 脇だけ洗っときゃいいんだよ 脇だけ
 

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