空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第十九訓 アイドルだって ほぼお前らと同じことやってんだよ
1ページ/2ページ



銀時はソファーに座り、テレビのチャンネルを変える。



「あんだっつーの。
ガキの色恋なんざ、どーでもいいんだって。

それよりドラマの再放送はどうしたの?
ピン子と春恵の対決は、どーなったの?」



「ピン子と春恵。
いよいよ決着かと思われた時、地球に恐怖の宇宙帝王襲来!

ピン子と春恵が協力して帝王を倒し終わりヨ。」



答えたのは神楽だった。
そして、愛が続ける。



『これがまた泣けるんすよ…。

ピン子が格好良くって!』



「マジでか!!
なんで知ってんの!?」



「昨日で最終回だったもんね〜、定春。」



銀時は神楽の言葉に嘆く。



「んだよ、チクショー。見逃したぜ!!
もうピン子に合えねーのか俺は!?」



『多分。お登勢さんが録りだめしてたと思うから、明日にでも借りればいいっすよ』



愛は銀時を宥める。



「それより新八の様子がおかしいアルヨ。
ず〜っと、日めくりカレンダーめくり続けてるネ。」



「オーイ。んなことしても別の時空へはいけねーぞ。
現実から逃げてんじゃねーよ!

アイドルなんぞにほれるから、んなことになるの。

分をわきまえろ。
俺もお天気お姉さんのファンだけど、そのへんはわりきって…。」


《…続いてのニュースです。

お天気お姉さんとして人気をはくした結野アナが。
先月、結婚していたことが…。》



ニュースを聞いた瞬間、銀時まで新八に加わっていた。



「あらら、二人とも別の時空に言ってしまったアル。」



『銀時…新八…。
あの…気を確かに…。』



「ほっとくネ、愛。

第一、何が愛LOVEだ。
お天気お姉さん如きに目をやってるなら、愛は私が貰うヨ。」



すると、チャイムが鳴る。



『あっ!新八!!』



「オッ、こんな状態でも身体には雑用係の習性が染みついてるネ。」



フラフラした足取りで新八は玄関に行く。



「ふぁい、新聞ならいりませ…。

!!おっ お通ちゃん!?」








“男と別れろ さもなくば殺すトロベリー”



お通の出した紙には、そう書かれていた。



「この、知性のカケラもねー言いまわしは、アンタのファンの仕業か?」



「こんな手紙が事務所に何通も送られてくるの…。

恐くて父ちゃんに相談したら。
アンタたちなら、なんとかしてくれるって。」



銀時と愛は思い出す。

娘との約束の為に懸命に戦った父親を。



「あの親父か…、元気でやってんの?」



「ウン。この話したら、また脱獄するって大騒ぎしてた…。」



『あの親父さんなら、やりかねないっすね。』



「フン、そりゃ親父がバカやる前になんとかしなきゃな。」



銀時の言葉に、お通は喜ぶ。



「それじゃ、力になってくれるんだね。」


「だが犯人の目星つけるにしても、アンタのファン何人いるって話になってくるな…。」



『何か、良い方法ないっすかね?』



「別れりゃいいじゃん!」



そう提案したのは、酢昆布を食べている神楽だった。



「別れりゃ、全てまるくおさまる話じゃん。」



「い…嫌だよ。そんなの考えられない。

あの人は芸能界で唯一、私に優しくしてくれたんだから。」



「ケッ!男なんて女には皆優しいもんなんだよ、小娘が!!

い゛っ!!」



神楽の頭が叩かれる。



「犯人がしぼれないなら、はりついて護るだけです。

この、志村新八。
命に代えても、お通ちゃんを護ってみせる!!」



それは親衛隊の隊服に身を包んだ、新八だった。



「お。」



「復活した。」








「ほォ〜、アレが彼氏?」



お通とサングラスをした金髪の男が喫茶店で話している。



「国民的アイドルグループ【反侍】リーダー、GOEMONアル。」



「てめっ、やけにくわしーな。
さてはファンだな。」



「チャラ男に興味ないネ。
男は味があってなんぼアル。」



『私、あの人あんまり好きじゃないんすよ。
生理的に…。』



皆が素直な意見を漏らす中、新八は草を抜いていた。


遠くのやりとりを聞くと、二人は少しの間、別れる方向にまとまったらしい。

それを聞いて、新八は悲しい目をしていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ