空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第十七訓 酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ
1ページ/2ページ



「(気付けば春、花見の季節です。
…が、僕の姉【妙】のせいで万事屋四人はピンチです。)」



「なんですかコレは?
アート?」



お妙の差し出したお重には真っ黒な物体が…。



「私、卵焼きしかつくれないの〜。」



「【卵焼き】じゃねーだろコレは【焼けた卵】だよ。」



「卵が焼けていれば、それがどんな状態だろーと卵焼きよ。」



「違うよ。コレは卵焼きじゃなくて、かわいそうな卵だよ。」



「いいから男はだまって食えや!!」



銀時の惨劇を見た神楽は、必死に卵焼きを食べる。



「これを食べないと私は死ぬんだ…。
これを食べないと私は死ぬんだ…。」



「暗示かけてまで食わんでいいわ!!」



『いや、新八…。
これ…けっこう……いや…たぶん…おいしい…と…おも…う。』



「いや、愛さん…そんな顔で言われても…。

てか、神楽ちゃん止めときなって!
僕のように眼が悪くなるよ。」



新八が必死で止めていると、後ろから笑い声がする。



「ガハハハ。
全くしょーがない奴等だな。

どれ、俺が食べてやるから。このタッパーに入れておきなさい。」



一気に空気が静かになる。

そして、お妙の平手打ちが炸裂する。



「何レギュラーみたいな顔して座ってんだゴリラァァ!!
どっから わいて出た!!」



『あっ!近藤さん!!
大丈夫……じゃないですね…。』



銀時と新八は遠くから様子を見る。



「オイオイ。
まだストーカー被害にあってたのか、町奉行に相談した方がいいって。」



「いや、あの人が警察らしーんスよ。」



「世も末だな。愛も気をつけろよ。」



「悪かったな。」



背後で声がしたと思ったら、土方と沖田、真選組の皆さんがいた。



『あっ!土方さん、沖田君。
それと皆さんも!!』



「愛さん!ご無沙汰してます!」



「今日もお綺麗ですね!」



銀時は愛の人気と土方の登場に機嫌が悪くなる。



「オウオウ。
ムサい連中がぞろぞろと、何の用ですか?
キノコ狩りですか?」



「そこをどけ。
そこは毎年、真選組が花見をする際に使う特別席だ。」



土方が言い返したため、銀時と言い合いになる。



「どーゆー言いがかりだ?
こんなもんどこでも同じだろーが。

チンピラ警察24時か てめーら!」



「同じじゃねぇ。
そこから見える桜は格別なんだよなァ、みんな?」



しかし、隊員たちの反応は。



「別に俺達ゃ、酒飲めりゃどこでもいいッスわ〜。」



「愛さんに退いてもらうの申し訳ないしなぁ。」



「アスファルトの上だろーとどこだろーと構いませんぜ。

酒のためならアスファルトに咲く花のよーになれますぜ!」



しかし、土方は銀時の挑発に乗って言う。



「うるせェェ!!
ホントは俺もどーでもいんだが、コイツのために場所変更しなきゃならねーのが気にくわねー!!

大体。山崎、場所とりにいかせたはずだろ…。
どこいった アイツ?」



「ミントンやってますぜ、ミントン。」



土方は山崎に制裁を加えに行った。



隣には、いつのまにか復活した近藤がいた。



「まァとにかく、そーゆうことなんだ。
こちらも毎年恒例の行事なんで、おいそれと変更できん。


お妙さんと愛さんだけ置いて去ってもらおうーか。」



「いや、お妙さんごと去ってもらおーか。」



「いや、お妙さんもダメだってば。
ってか、地味に愛さんはいいのかよ!」



「それはだなぁ…。
こないだの借りがあるし…とか思ったからで…。

やっぱりアレだ…。
却下!お妙さんも愛も!!」




それにキレた銀時が言う。



「何勝手ぬかしてんだ。
幕臣だかなんだか しらねーが。

俺たちをどかしてーなら、ブルドーザーでも持ってこいよ。」



「ハーゲンダッツ1ダース 持ってこいよ。」



『【ゴッ・ディッ・バッ】のチョコ、持ってきなっ!』



「フライドチキンの皮、持ってこいよ。」



「フシュー。」



「案外お前ら簡単に動くな。」



もはや、新八のツッコミなど誰も気にしない。



「面白ェ 幕府に逆らうか?

今年は桜じゃなく、血の舞う花見になりそーだな…。

てめーとは毎回こうなる運命のよーだ。
こないだの借りは返させてもらうぜ!」



土方が刀を抜こうとした時、沖田が止めに入る。



「待ちなせェ!!

堅気の皆さんがまったりこいてる場でチャンバラたァいただけねーや。

ここはひとつ。
花見らしく決着つけましょーや。


第一回、陣地争奪…。
【叩いて、かぶって、ジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃぃぃ】!!」




「「「「花見 関係ねーじゃん。」」」」



「(そんなこんなで 真選組と僕たち万事屋の戦いが始まってしまったのです…。)」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ