空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第十五訓 男にはカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある
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愛は買い物を終え、帰路についていた。



『ふっふんっふん〜



春雨の一件の後、銀時に外出させてもらえなかったため、久しぶりの外に上機嫌である。



『さて、名残惜しいけど帰るか…。』



「お姉さ〜ん!!」



聞いたことのある声と呼び方に振り向くと、いつぞやの少年がいた。



『あれ?少年じゃないっすか!』



「お久しぶりでさァ。
今、暇ですかィ?」



『買い物終わって帰る所っすよ。』



愛が言い終えた瞬間、少年は腕を掴み、愛を連れていく。



『どこ行くんすか?
早く帰んないと、また銀時に外出禁止させられる…。』



「すいません。
でも、心の底から暇なんでさァ、付き合ってくだせェ。」



少年の言葉に反論しようが帰してもらえる気がしない愛は、諦めてついていく。



そこは豪邸だった。








「こんの野郎は…。
寝てる時まで人をおちょくった顔しやがって。

オイ起きろ、コラ。
警備中に惰眠をむさぼるたァ、どーゆー了見だ。」



「なんだよ母ちゃん、今日は日曜だぜィ。
ったく、おっちょこちょいなんだから〜。」



『違うよ、木曜だよ。
ちゃんと顔洗ってカレンダー見なさい!』



「今日は火曜だ!!
お前ら、いい加減にしねェと斬るぞ。

ってか、何で白髪んトコの女がいるんだ!?」



瞳孔開きっぱの男が少年に言う。



「大丈夫ですよ。
近藤さんから許可とってるし…。
愛 コレが【ムッツリの土方さん】でさァ。」



『どーも お邪魔してます。
沖田君の友達の青野 愛です!』



「どもっ…って、てめー。
こうしてる間にテロリストが乗り込んできたら、どーすんだ。
仕事なめんなよ、コラ。」



瞳孔男こと土方は、少年沖田は言い合いを始める。



「俺がいつ仕事なめたってんです?
俺がなめてんは土方さんだけでさァ。」



「よーし!!勝負だ。剣を抜けェェェェ!!」



本格的に喧嘩が始まる前に、二人の頭に拳が落ちる。



「仕事中に何 遊んでんだァァァ!!
愛さん、すいません。見苦しいとこ見せちゃって…。


それにさても お前らは何か!?
修学旅行気分か!?
枕投げかコノヤロー!!」

しかし、そう言ったゴリラのストーカーこと真選組局長の近藤は、後ろにいたカエルの天人に殴られる。



「お前が一番うるさいわァァァ!!
ただでさえ気が立っているというのに。」



そして、去りぎわに言った。



「まったく役立たずの猿めが!」



小声で四人は話す。



『猿って…。
鏡とメガネ、プレゼントしたほうが良くないっすか?
自分カエルなのに良く言える。』



「それにしても、なんだィありゃ。
こっちは命がけで身辺警護してやってるってのに。」



「お前は寝てただろ。」



沖田は近藤に問う。



「幕府の高官だかなんだか知りやせんが、なんであんなガマ守らにゃイカンのですか?」



近藤は幕府に拾われた身だからと答えた。

そして、命を狙われている奴がいたら誰でも助けるべきだと…。



近藤はカエルの警護に戻っていく。



「はぁ〜底無しのお人好しだ、あの人ァ。」



『でも 嫌いじゃないっすよ…そういうお人好し。
だから、君も居るんでしょう?』



「ふふっ。やっぱり面白ぇや、愛。」



『そりゃどーもっす。
さて、そろそろ帰ろ…。』



縁側から立ち上がった愛の耳に、銃声が響く。


その音に振り向けば、近藤がカエルを庇って倒れていた。
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