空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第十一訓 べちゃべちゃした団子なんてなぁ団子じゃねぇバカヤロー
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「愛だァ? 夢だァ?
若い時分に必要なのは、そんな甘っちょろいもんじゃねーよ。

そう…カルシウムだ。
カルシウムさえとっときゃ全てうまくいくんだよ。

受験戦争、親との確執、気になるあの娘。
とりあえずカルシウムとっときゃ全てうまく…。」



「いくわけねーだろ!!

幾らカルシウムとったってなァ、車にはねらりゃ骨も折れるわ!!」



いちご牛乳を飲む銀時に、足を骨折し、入院中の新八は突っ込む。



「俺もはねられたけど、ピンピンしてんじゃねーか。
毎日 コイツ飲んでるおかげだよ。」



「いちご牛乳しか飲めないくせにエラそーなんだよ!」



「んだコラァァ。
コーヒー牛乳も飲めるぞ!!」



『まあまあ、二人とも…。

銀時は人一倍頑丈だから、新八は気にしなくても普通っすよ。
ところでリンゴ食べる?』



うさぎのリンゴを差し出す愛に新八は言う。



「愛さん…。
フォローになってません。」



「第一なァ、おま…。」



「やかましーわ!!」



言い合ってた銀時と新八に痺れを切らした、看護師のおばちゃんが叫ぶ。



「他の患者さんの迷惑なんだよ!!
今まさにデットオアライブをさまよう患者さんだっていんだよ、ボケが!!」



「あ…スンマセン。」



銀時は看護師に謝ると、新八に小声で言う。



「オイオイ、エライのと相部屋だな。」



『寿命っすかね?』



「えぇ。
もう長くはないらしいですよ。

僕が来てから、ずっとあの調子なんです。」



「そのわりには家族が誰も来てねーな。」



『子供や奥さんの一人くらいいないんすか?』



「いや、あの歳までずっと独り者だったらしいですよ。
相当な遊び人だったって噂です。」



銀時は立ち上がる。



「まっ、人間死ぬ時ゃ独りさ。

そろそろ俺らいくわ。
万事屋の仕事もあることだし。」



「万事屋ァァァァァ!!」



銀時の言葉に反応したのは死にかけのおじさんだった。



「今…万事屋って…言ったな…。

それ何?
なんでも…して…くれんの?」



ふらつき近づいてきたおじさんに、万事屋四人は間合いを取る。



「いや…、なんでもって言っても死者の蘇生は無理よ!!
ちょっ…こっち来んな!!

のわァァァ!!」



しかし、銀時たちが襲われることもなく、涼しげな音が病室に響くだけだった。



「コ…コレ。
コイツの持ち主捜してくれんか?」



おじいさんが差し出してきたのは、かんざしだった。
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