空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第八訓 粘り強さとしつこさは紙一重
1ページ/2ページ



銀時、愛、神楽の三人は新八とお妙にストーカーの被害の相談をしていた。

なんでも、お妙のスナックの客が犯人らしい…。


一度店で慰めてから、求婚され。
家の前の電柱によじ登ってたり、スーパーの商品の中に埋まってたり、タクシーに乗ってたら後ろから追いかけてきたりと。
様々なことをされたらしい。



「よかったじゃねーか、嫁のもらい手があってよォ。

帯刀してたってこたァ、幕臣かなんかか?

玉の輿じゃねーか。
本性がバレないうちに籍入れとけ、籍!」



「それ、どーゆー意味。」



銀時は食べていたパフェに顔を押し付けられる。



「最初はね そのうち諦めるだろうと思って、たいして気にしてなかったんだけど。

……気がついたら。
どこに行ってもあの男の姿がある事に気づいて。

ああ、異常だって。」



『安心して、お妙。
私たちがなんとかするから!
ねぇ、銀時!!』



愛が横を見ると、神楽のジャンボラーメンの早食いに夢中であった。



「ハイハイ、ラストスパート。

噛まないで飲みこめ、神楽。
頼むぞ、金持ってきてねーんだから。」



「きーてんのアンタら」



「んだよ。俺にどーしろっての。

仕事の依頼なら、出すもん出してもらわにゃ。」



「銀さん、僕もう2ヶ月給料もらってないんスけど。

出るとこ出でもいいんすよ。」



『銀時、私からもお願い。
ストーカーって危なそうだし…友達が困ってるに、放っておけないっす。』



愛の言葉に銀時の態度が豹変する。



「っ!しゃーねーな。
まあ、あんま気乗りしねーけど愛が言ってるしな。」



銀時は立ち上がる。



「ストーカーめェェ!!どこだァァァ!!
成敗してくれるわっ!!」



銀時の言葉に、近くのテーブルの下から男が出てくる。



「なんだァァァ!!
やれるものならやってみろ!!」



「ホントにいたよ。」



銀時と男は向き合う。



「ストーカーと呼ばれて出てくるとはバカな野郎だ。

己がストーカーであることを認めたか?」



「人は皆、愛を求め。追い続けるストーカーよ。」



そう言った男の前に愛が立ちはだかる。



『聞き捨てならないっすね。

人の気持ちを考えないストーカーには愛なんて、一生無縁のっ……!?』



「お嬢さん、お名前は何と言うんですか?

さっきから綺麗な声だと思ってたんですよ…。
想像通り。いや、想像以上の美し…グハァ」



愛の手を握りながら話す男に、銀時が蹴りを入れた。



「てめえ、うちの愛に手ェ出すんじゃねェ。」



「むっ!話している途中に蹴るとは…。

まあいい お嬢さんは愛さんと言うのか。
…いい名前だ。

ときに貴様。
先程よりお妙さんや愛さんと親しげに話しているが、一体どーゆー関係だ。
うらやましいこと山の如しだ。」



「許嫁ですぅ。」



男の問いに答えたのは、銀時ではなくお妙だった。



「私、この人と春に結婚するの。」



「そーなの?
でも、結婚するなら愛と…。」



『えー! 知らなかった!おめでとう!!
びっくりっすよ!
何で秘密にしてたの?言ってくれたら良かったのに?』



「え…愛ちゃん。止めてはくれないの…。」



「もう、あんな事もこんな事もしちゃってるんです。
だから私のことは諦めて。」



お妙の言葉に男は反応する。



「あ…あんな事も こんな事も そんな事もだとォォォォ!!」



「いや、そんな事はしてないですよ。」



愛は新八に聞く。



『あんな事とか、こんな事って何の事っすか?』



「いや。愛さんは純粋というか、天然のままでいて下さい。」



愛はよく分からないが諦めることにした。



「いやっ!!いいんだ、お妙さん!!」



ショックで固まっていた男が、もう復活していた。



「君がどんな人生を歩んでいようと、俺はありのままの君を受けとめるよ。

君がケツ毛ごと、俺を愛してくれたように。」


「愛してねーよ。」



お妙の鋭いツッコミをものともせず、男は言った。



「オイ 白髪パーマ!!
お前がお妙さんの許嫁だろーと関係ない!!

お前なんかより俺の方が、お妙さんを愛してる!!


決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ