空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第七訓 一度した約束は死んでも守れ
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「命張って爆弾処理してやったってのによォ。
三日間もとり調べなんざしやがって、腐れポリ公。」


銀時は警察署の表札に蹴りを入れて言った。


「もういいじゃないですか。
テロリストの嫌疑も晴れたことだし。」


万事屋四人は池田屋の一件で警察に捕まっていたのだった。


「どーもスッキリしねェ。
ションベンかけていこう。」


「よっしゃ私、ゲロ吐いちゃるよ。」


『じ…じゃあ、私は塩撒いておこっかな。』


「器の小さいテロすんじゃねェェ!!

頼んますよ。
愛さんが唯一の常識人と言っても、おかしくないんですから。」


新八はそう言うと三人に背を向けて言った。


「アンタらにかまってたら、何回捕まってもキリがないよ。
僕、先に帰ります。

愛さんに迷惑かけずに、ちゃんと真っすぐ家帰れよ。
バカコンビ!!」


新八が消えたことに、銀時が呟く。


「オイオイ。
ツッコミいなかったら、この小説成立しねーぞ。

…しゃーねぇな。
今回は俺がツッコミでいくか。」


『いや、アレは私にツッコミを任せると言ってたも同然っす!!

ってわけで今回はわた…。』


「オエ!」


銀時の足元で声がしたと思ったら、神楽がゲロを吐いていた。


「おまっ…どこにゲロ吐いて…くさっ!!」


『今すぐリバースした物を口の中に戻しなさい。
もったいな…くさっ!!』


銀時と愛が必死でゲロから逃げると、頭上からおじさんが落ちてきた。


「いだだだだだだ!!
それに、くさっ!!」


すると、役人が出てくる。


「オイ、そいつ止めてくれ!!
脱獄犯だ。くさっ!!」


「はィ?」


銀時と愛が振り向くと神楽が人質にとられていた。


「来るんじゃねェ!!
このチャイナ娘が、どーなってもいいのか。」


「貴様!!」


「オイ、そこの白髪か嬢ちゃん。
免許もってるか?」


おじさんの問いに銀時が答える。


「普通免許はもってっけど。」






町を一台のパトカーが走り抜ける。


「なんでこ〜なるの?」


現在、銀時はパトカーを運転している。

助手席には愛がおり、後部座席には寝ている神楽を人質にするおじさんが座っている。


「…おじさーん。
こんな事して、ホント逃げ切れると思ってんの。」


『こういうのは後が怖いって言うよ。
引き返したほうが…。』


「いいから右曲がれ。」


銀時はおじさんに言う。


「今時、脱獄完遂するなんざ、宝クジの一等当てるより難しいって。」


「逃げ切るつもりなんてねェ…。今日一日だ。

今日一日、自由になれればそれでいい。
特別な日なんだ、今日は…。」


空を見上げたおじさんの目は哀しげな物だった。
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