空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第四訓 第一印象がいい奴にロクな奴はいない
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「アバヨ。腐れババア。」


キャサリンは捨て台詞を吐いて、逃走する。
お登勢はその後ろ姿を見ながら、キャサリンの名を
叫ぶ。

しかし、キャサリンは振り返ることなく去ってしまった。


「まさかキャサリンが…。」


「お登勢さん。店の金、レジごとなくなってますよ!!」


「あれ?俺の原チャリもねーじゃねーか。」


「あ…そういえば私の傘もないヨ。」


『私の鞄、そこに置いてなかったっけ?』


レジを確認した新八に続き、銀時、神楽、愛も口々になくなったものを上げる。


遠くでキャサリンが、バーカと叫んでいる。


「あんのブス女[あま]ァァァァ!!」


「血祭りじゃァァァァ!!」


『私のチョコと二週間分の食費…。
返しやがれェェェェ!!』


三人はキャサリンの背中に向かって叫ぶと、役人が乗ってきたパトカーに乗り込む。


「ちょっ…何やってんの!?どこいくの!?

おいィィィ、ちょっと待ってェェ!!
それ俺達の車なんすけど!!
ちょっとォォォ!!」


役人の声も銀時たちには届かず、パトカーはキャサリンを追う。


「ねェ!
とりあえずおちつこうよ、三人とも。
僕らの出る幕じゃないですってコレ。

二週間分の食費はさておき、たかが原チャリや傘やチョコレートぐらいで、そんなにムキにならんでもいいでしょ。」


『たかがって、どういうつもりっすか!
てめぇ【大江戸製菓】に謝りやがれ!!』


「まあ、待て愛。

新八、俺ぁ原チャリなんてホントはどーでもいいんだ。
そんなことよりなァ、シートに昨日借りたビデオ入れっぱなしなんだ。
このままじゃ延滞料金がとんでもない事になる。
どうしよう。」


「アンタの行く末がどうしようだよ!!」


銀時の言葉に新八が突っ込むが、神楽が運転しながら言う。


「延滞料金なんて心配いらないネ。
もうすぐレジの金が、まるまる手に入るんだから。」


「お前は そのキレイな瞳のどこに汚い心隠してんだ!!

そもそも神楽ちゃん免許
もってんの!
なんか普通に運転してるけど。」


新八の問いに神楽は言う。


「人、はねるのに免許なんて必要ないアル。」


「オイぃぃぃ!!ぶつけるつもりかァァ!!」


新八が叫ぶ隣で愛は神楽を応援しだす。


『やってしまえ!!
責任は私が取るっす!!』


それを聞いて銀時が返す。


「お前ら 勘弁しろよ
ビデオ粉々になるだろーが」


「ビデオから頭話せ!!」


四人はいつの間にか、キャサリンの真後ろに車をつけていた。

しかし、それに気付いたキャサリンは路地に逃げ込む。


「あっ、路地入りやがったぞアイツ!!」


それを追い、神楽はパトカーで無理矢理に路地を走る。


「ほァちゃああああ!!」


銀時と新八は焦るが、何も出来ない。


「オイオイオイオイ」


「なんか、もう。
キャサリンより、悪い事してんじゃないの僕ら!!」


そして神楽はキャサリンに迫る。


『「死ねェェェっす〔アル〕キャサルィィィン!!」』


しかし、パトカーがキャサリンをはねることはなく、川にまっ逆さまに落ちていく。


「あれ?あれェェェェェ!!」


『あいつに嵌められた…!?』


その様子を見ていたキャサリンは笑みを浮かべる。


「そこまでだよ、キャサリン!!」


橋の向こう側に目をやるとお登勢が立っていた。
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