空色スパイラル (銀魂逆ハー銀時オチ)

□第二訓 ペットは飼主が責任を持って最後まで面倒を見ましょう
1ページ/3ページ



「しるかボケェェェ!!

金がねーなら、腎臓なり金玉なり売って金つくらんかいクソッたりゃー!!」



「家賃如きで、うるせーよウンコババア!!

こないだ アレ…。
ビデオ直してやったろ!
アレでチャラでいいだろうが!!」



万事屋の玄関では、銀時と家賃の取り立てに来たお登勢が喧嘩の真っ最中だった。

新八が来て半年が経ち、
万事屋は二人の時より賑やかになった。
しかし、相変わらず仕事は増えず、極貧生活である。
愛は居間で喧嘩が終わるのを待っていた。


『新八、まだっすかねぇ。
今日はお妙からのバーゲンダッシュ【チョコ味】が私の元に届くはず…。』


「ぎゃああああ!!」


『はぁ、お妙にまたお願いしなきゃ。
今度は直接くれって…。』

愛は天を仰いだ。





「どーすんスか。
生活費まで、ひっぱがされて…。」


『バーゲンダッシュまで、海の藻屑と化して…。』


「愛さん。スミマセンでした。

それより、今月の僕達の給料、ちゃんと出るんでしょーね。
頼みますよ。
僕んちの家計だってキツいんだから。」


愛と新八は、お茶を飲みながら銀時に言う。

「腎臓ってよォ。
二つもあんの、なんか邪魔じゃない?」



銀時は、しらっと流す。


『腎臓っすか…?
私のでも売れるんすかねぇ…。』


「愛さん!!
ダメです!あの男の言うこと聞いちゃ!

俺ら二人とも売らんぞォォ!!
何恐ろしー事考えてんだ!!」


キレる新八を気にせず、銀時はテレビをつける。


「カリカリすんなや。

金はなァ、がっつく奴の所には入ってこねーもんさ。」


しかし、テレビは砂嵐になっていて映らない。


「ウチ、姉上が今度はスナックで働き始めて、寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ…。」


「アリ?映りワリーな。」


『いよいよ寿命っすか?』

「縁起でも無いこと言うんじゃねーよ!」


「ちょっとアンタら!きーてんの?」



テレビと格闘してる銀時と愛を新八が突っ込むが…。


「オ…、はいった。」


『やったっ!
テレビまで潰れたら終わってたっすよ。』


《現在、謎の生物は新宿方面へ向かっていると思われます。

ご近所にお住まいの方は、速やかに避難することを…》


すると砂嵐に戻ってしまった。


「オイオイ。
またターミナルから宇宙生物[えいりあん]侵入か?
最近多いねェ。」


「宇宙生物[えいりあん]より今はどーやって生計たてるかの問題スよ。」


玄関のチャイムが鳴る。

その瞬間、銀時が動いた。

「金ならもうねーって、言ってんだろーが腐れババア!!

あれ?」


銀時が扉を蹴破り、外にいた人物の顔に足がヒットする。

しかし、相手はお登勢ではなく、黒いコートを着たオッサンだった。


「局長ォォ!!」


「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」


周りの黒コートが叫ぶ。


「スイマセン、間違えました。
出直してきます。」


銀時は扉の中から覗いてた愛の肩を抱くと、家の中へUターンしていく。


「待てェェェ!!」


銀時の後頭部に銃が突き付けられる。


「貴様が万事屋だな。
我々と一緒に来てもらおう。」


「わりーな。
知らねー人にはついていくなって、母ちゃんに言われてんだ。」


『チョコ貰っても行かないっすよ。
それに、見るからに怪しいし…。』


銀時と愛の言葉にオッサンはグラサンをかけながら言う。


「幕府[おかみ]の言う事には逆らうな、とも教わらなかったか」


「オメーら幕府の…!?」


「入国管理局の者だ。

アンタらに、仕事の依頼に来た。
万事屋さんにお嬢さん。」


幕府の人間と分かった瞬間愛の目に、殺気がこもった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ