短編

□わたしが生徒会長です。
1ページ/1ページ



『六道!! 勝負だ!!』

「あなたですか。
よく飽きないですね。」


午後4時30分、この時間は骸の楽しみである。

彼女は毎日、授業が終わり、1人で掃除をして、この生徒会室に来る。


『六道。そのイスに座っているのは私への嫌がらせか?』

「それ以外の何に見えるんですか?」


彼女は眉間に皺を寄せている。

彼女の様子を見ていると、つい苛めてしまう。


「ああ、まだ気にしてたんですか?

生徒会長になれなかったこと。」


その瞬間、骸の顔の横を拳が突き抜け、ソファーに埋まる。

これが彼女が黒曜でやってこれた理由だ。


『黙れよ、六道。

私が生徒会長になってたら、前より不良が減ってたはずだ。
だが、お前がなってから、喧嘩や不良が減ってるならまだしも、増えてるって、どういうつもりだ。』


骸は笑った。

彼女が生徒会長になってたら、不良グループを潰したり、危ない目に会ってただろう。

なんでこの女は人一倍、正義感が強くて、1人で何でも背負い込むのだろう。


「あなたはすぐ力で解決しようとする。
それに言葉遣いもなっていない。」


いつでも1人で悩んで誰にも助けを求めない。


「そんな人に生徒会長は譲れません。」


『なっ…何言って…。』


骸は口元に指を持っていくと「ほら。」と言った。

その直後、彼女の顔が真っ赤に染まって、口がパクパクしだす。


『熱でもあるんじゃないですか?』


そう言って額に向かってくる骸の手を彼女は払い除ける。


『わっ、私は諦めたわけじゃないからな!!』


そのまま急いで生徒会室を飛び出す。

ドアが閉まりきる直前、骸は聞こえるか聞こえないか分からない声で

「明日も楽しみにしてますよ。明理珠」

と言った

それを端で邪魔にならないように見ていた千種が

「2人とも素直になればいいのに」

と呟いた。


わたしが生徒会長です!


(なんでアイツは!!)
(なんであの女は!!)
(絶対、生徒会長は私[僕]!!)


お題サイト DOGOD69様より
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ