短編
□貴方が貴方であるために
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あの人は、主人と私のどちらを選ぶのだろうか。
彼は、主人に絶対の忠誠を誓う忍だ。
だから、きっと私に向ける気持ちは、幸村様に向ける忠誠に比べれば小さなものなのだろう。
自分の気持ちに素直に従って、彼の足手まといになんて、なりたくない。
この気持ちは、封じてしまうべきなんだ。
きっと、私も彼も一時の気の迷いなんだ。
だから、私は人生で一番の嘘を吐く。
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