桜契り(妖狐×僕SS・御狐神寄り)

□第十一話 休む猫
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桜稀と双熾が結ばれて、三ヶ月が経った。

桜稀は進学、反ノ塚は就職に進む事が決まる。

そんな夏休み、蜻蛉を除いた一行は、海へ来ていた。


『「あっ……暑い。」』


「大丈夫ですか、二人共。」


「よし、俺が扇いでやる!」


『「その前に、離れんかぁぁぁぁ!!」』


桜稀と凛々蝶は叫ぶ。


「ですが、お二人共を放っておくわけには……。」


『何でだ。』


「何でも何も……。」


双熾と空琥は目を逸らす。


「桜稀、行こう。
あまり、彼らは安全とは言えないらしい。」


『…………みたいだな。』


二人はパラソルの下へ移動する。


『手が届かん。』


「日焼け止めか?
僕が塗ろう……。」


「桜稀、貸せよ。
俺、塗ってやる!」


「桜稀、僕が塗りますよ。」


『いや、結構……。』


「意地張んなよ。」


「安心してください。
すぐに気持ち良くなりますから。」


『は……?
ちょっ、やめっ……近づくな……ぎゃあああ!!』


「桜稀、御愁傷様だな。」


――――――――――――


桜稀の苦難は、まだ続く。
二学期が始まって、文化祭。


「桜稀。」


生徒会の見回り中の桜稀に、双熾が声をかける。


『双熾?』


「寄って行きませんか?」


そこは凛々蝶達のクラス。
そして、そこにはバニーガールの格好をした凛々蝶。


『すまない、職務ちゅ……。』


「寄って行ってくれますよね。」


『うぅ……。』


そして、桜稀も双熾の餌食となる。


『こっ、このバカ。
なんで、猫耳メイドなんだ!』


「一番似合うじゃないですか。
このまま、一緒に回りませんか?」


『誰が、こんな格好で……ぎゃあああ!!』


「桜稀、御愁傷様だな。」


凛々蝶が横を見ると、灰になった空琥の姿。
しかも、フリフリのドレス姿で。


「流石、御狐神くん……強い。」
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