桜契り(妖狐×僕SS・御狐神寄り)

□第五話 学ぶ猫
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刹羅桜稀。
生徒会会長であり、学年首席。
それでいて、不良という面も持っている。


『え……?
カルタが心配だ?』


そのためか、様々な相談が舞い込んでくる。


「そうなんだ。
授業中に焼きのりを炙ったり、教室に犬を入れたり、マラソン中に消えたり……。
そしたら、傷だらけで帰ってきたり……。」


『……カルタだからな。
でも、あいつだって人間だ。
意味のない行動はしないよ。』


桜稀は凛々蝶の頭を撫でる。


『凛々蝶なりに、人と関わろうと努力してるんだな。
偉いぞ。』


「こっ、子供扱いしないでくれ!」


『悪い、悪い。』


――――――――――――


「だから、どうやったら強くなれるのかな……って。」


『あー。
強く……ねぇ……。』


「桜稀姐さんは、何の修行をしてるんスか!?」


『いや…修行してるワケじゃ……。』


渡狸はうつむく。


「カルタに守られてるだけは嫌なんだ。
俺だって、好きな奴くらい守ってみせたいんだ。」


『……卍里。』


桜稀は渡狸の頭を撫でる。


『強さってのは、気持ちが大事だろ。
だから、お前は大丈夫だ。
誰より強いだろ、その気持ちは。』


「姐さん……。
俺、頑張ってくるぜっ!!」


『ああ。』


――――――――――――

「もぐもぐ……。」


『美味いか、それ。』


「あーん。」


カルタから、ポッキーをもらう。


「もぐもぐ……。」


『カルタは、食べてる時が一番幸せそうだな。』


「食べるの、好き。」


『いいことだと思うぞ。
食べると育つしな。
太らないのが、うらやましいんだがな。』


桜稀はカルタの頭を撫でる。


『可愛い後輩が三人もいて、俺は幸せだな。』


「桜稀も可愛いよ。」


『あんがとな、カルタ。』
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