薄桜学園3年Z組

□いや、テスト返却にそんなオマケはいりませんよ
1ページ/2ページ



「はーい、課題テストを返却します。」


『『「「「えー。」」」』』


ホームルームの第一声に、大ブーイングが起こったのは、これが初めてなのではないだろうか。
それぐらいの勢いで、3Zは叫んでいた。


「うるせえ、てめえら。
てめえらの授業態度が悪すぎて、古典以外の教科は授業中にテスト返しが出来なかったんだよ。」


「とりあえず、テスト返していくから、お前ら順番に前に来い。」


そして、一枚一枚返されていく。


『………………。』


『うおっ、平均あったぜ!!』


『ま、こんなものね。』


『何とかやりきれたぜよ。
これも蘭のおかげじゃ。』


『…………………。』


『おい、蓮?』


三人が蓮の解答用紙を見ると、真っ赤な文字で赤点と書かれている。


『古典以外、全部ダメだった。
補習地獄だ………。』


『何で、古典だけなのよ。』


『……だって、一番ヤマが当たるんだもん。
どこが出そうとか。』


三人はため息を吐く。


『なっ、なんだよ〜!!』


『惚気は分かったけどよぉー。』


『本当に生きていけるのか?
そんな点数で?』


『別に、テストが全てじゃねー!!』


すると、銀八が手を叩く。


「はーい、着席。
今から、テストの復習をしていきたいと思います。」


銀八は社会と大きく書く。


「まず、一番成績の悪かった社会。
お前ら、伊藤が嫌いだからって、ちゃんとやっとかねーと。
俺らが文句言われるんだぜ。
おかげで、歳三の機嫌が……。」


「うるせえよ。
さっさと進めろ、銀八。」


「はいはい。
まずは、この国の国名を答えなさい。
答えは、スリジャヤワルデネプラコッテ。」


永倉の方の新八が手を上げる。


「せんせー。
そんなの分かるかよ、オカマ野郎。
問題の出し方からして、陰険だな。
って、伝えといてくれよ。」


「そう言いながら、新八っつあん合ってんじゃん!」


「さすが、新八だな。」


銀八は大きなスライドを映す。


「それじゃあ、一人目の珍回答。
スリランカでコブラがこってり……。」


『あっ……俺のだ。』


『分かっててやってるようにしか、見えないのじゃが……。』


「他には、ストレスでハゲろ伊藤……。」


『あっ、私だ……。』


『ちょっと、ストレート過ぎじゃろ。』


「三問連続で間違ってる奴もいるな。
・呼吸しないでもらえますか、貴重な酸素が減ります。
・皮膚呼吸もしないでください、空気が汚れます。
・貴方のせいでたくさんの人が苦しんでいます、死んで詫びなさい。
これは……100点の間違いじゃないか?」


「……………。」


『まあ、私の答えだもの。
間違いなはずがないわ。』


『土方さんですら、反論出来ないなんて……。
さすが、椿じゃ。』


今度は違う問題が表示される。


「現在、問題となっている事象を簡潔に述べよ……か。」


「これくらいなら、うちのクラスでも大丈夫じゃねーの?」


「誰だ、土方先生の起こし方が鬼畜すぎる件って書いた奴。
簀巻きにすんぞっ!」


銀八は違う解答を映す。


「もっと真面目な会長に変えるべきだ。
あいつ、あと何年やり続けるんだよ。

これは、切実だな。」


『共感したなら、今すぐ変えてくれよ。』


蘭は涙目で訴えるが、面倒だと却下された。


「小姑みたいな兄が迷惑。
いい加減、授業に出てもらわないと、私は死ぬまで不良の面倒は見切れません。」


「若干、胸に痛いものが刺さったんだけど。
これは、一人に対して言ってんの?
それとも、複数?」


今度は銀八が涙目になる。


「【土方さんの男前セットが手に入らない
予約で在庫埋まっただと?
もっと、生産しとけよ!バッキャロー!!】」


『……それは、確実にウチの管理人だな。』


『こんなとこまで出てきて、言うことじゃないわよ!』


『これは……ないよな。』


『まあ、それだけ切実なんですよ。』


土方が黒板を叩く。


「社会は終了だ。
お前ら、少しは努力しやがれっ!!
管理人もだ!!」


「じゃあ、次。
理科編だぞ〜。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ