薄桜学園3年Z組

□あれ……?マジで、このクラス!?
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私立薄桜学園には、落ちこぼれクラス【3−Z】がある。
そう、そこの担任が銀八。
副担任が歳三である。


「じゃあ、ホームルームを始めまーす。」


銀八の声に、学級委員の桂が号令をかける。


「じゃあ、まずは。
先生から自己紹介をしまーす。
【坂田銀八】でーす。」


「副担任の【土方歳三】だ。」


「知ってると思うけど、歳三は鬼の副担だから、怒らせないよーに。
俺も恐いし。」


「とはいえ、さっそく怒られる馬鹿もいるけどな。」


歳三は、わざとらしくため息を吐く。


「生徒もやろうかと思ってたけど、疲れるので省略。
どうせ、お前ら面白いことの一つも出来ないだろうしな。」


『じゃあ、何すんだよ?』


『めんどくさがってると、何も出来ないよ。銀兄ぃ。』


「人間なんて、そんなもんだろ。」


「それは、お前だけだ。」


銀八は、黒板に大きく字を書く。


『【かくれんぼ】?』


「何が、【かくれんぼ】なんだ?」


隣同士の【坂本向日葵】と【原田左之助】が訊ねる。


「クラスの親睦を深めるために、各クラスで担任が何か考えるんだけど……。
面倒だし、かくれんぼでいっかと思ってさ。」


いかにも銀八らしい答えに、クラスからは苦笑いが漏れる。


「鬼は俺と高杉、ヅラ、辰馬でいいか。」


『マジかよ。』


『兄様達は、若干困りますね。』


四人の兄達は、不敵な笑みを見せる。


『何となく、狙いが分かってしまったんじゃが……。』


『まあ、アレでしょ。
見つかんなきゃいいってコト。』


銀八が手を振り下ろす。


「よーい、どんっ。」


四人を残して、3Zの生徒は走り出す。
無論、歳三も総司に引っ張られて、教室を出ていく。

残された四人は、目配せをする。


「俺達の目的は、あの総司ってヤツらを、椿達の目の前で捕まえればいいんだろォ?」


「そうだ。
どんな手段を使ってでも、不甲斐ない姿を見せて、振られるようにしてみせる。」


「そうじゃな。
向日葵があの男と付き合っているなんて、許されるもんじゃないきに。」


「四輪花みたいに、あいつらの良いようにはさせねえ。
歳三、覚悟してやがれ。」


未だに認めていないらしい兄達の、学パロでしか出来ない復讐が始まった。
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