薄桜学園3年Z組
□あれ……?マジで、このクラス!?
2ページ/5ページ
私立薄桜学園には、落ちこぼれクラス【3−Z】がある。
そう、そこの担任が銀八。
副担任が歳三である。
「じゃあ、ホームルームを始めまーす。」
銀八の声に、学級委員の桂が号令をかける。
「じゃあ、まずは。
先生から自己紹介をしまーす。
【坂田銀八】でーす。」
「副担任の【土方歳三】だ。」
「知ってると思うけど、歳三は鬼の副担だから、怒らせないよーに。
俺も恐いし。」
「とはいえ、さっそく怒られる馬鹿もいるけどな。」
歳三は、わざとらしくため息を吐く。
「生徒もやろうかと思ってたけど、疲れるので省略。
どうせ、お前ら面白いことの一つも出来ないだろうしな。」
『じゃあ、何すんだよ?』
『めんどくさがってると、何も出来ないよ。銀兄ぃ。』
「人間なんて、そんなもんだろ。」
「それは、お前だけだ。」
銀八は、黒板に大きく字を書く。
『【かくれんぼ】?』
「何が、【かくれんぼ】なんだ?」
隣同士の【坂本向日葵】と【原田左之助】が訊ねる。
「クラスの親睦を深めるために、各クラスで担任が何か考えるんだけど……。
面倒だし、かくれんぼでいっかと思ってさ。」
いかにも銀八らしい答えに、クラスからは苦笑いが漏れる。
「鬼は俺と高杉、ヅラ、辰馬でいいか。」
『マジかよ。』
『兄様達は、若干困りますね。』
四人の兄達は、不敵な笑みを見せる。
『何となく、狙いが分かってしまったんじゃが……。』
『まあ、アレでしょ。
見つかんなきゃいいってコト。』
銀八が手を振り下ろす。
「よーい、どんっ。」
四人を残して、3Zの生徒は走り出す。
無論、歳三も総司に引っ張られて、教室を出ていく。
残された四人は、目配せをする。
「俺達の目的は、あの総司ってヤツらを、椿達の目の前で捕まえればいいんだろォ?」
「そうだ。
どんな手段を使ってでも、不甲斐ない姿を見せて、振られるようにしてみせる。」
「そうじゃな。
向日葵があの男と付き合っているなんて、許されるもんじゃないきに。」
「四輪花みたいに、あいつらの良いようにはさせねえ。
歳三、覚悟してやがれ。」
未だに認めていないらしい兄達の、学パロでしか出来ない復讐が始まった。