薄桜学園3年Z組

□水泳より、プールの方が楽しそうに聞こえると思わない?
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「じゃあ、まずは体操……。」


『一番乗りっ!!』


『ずりぃっ!』


「てめえらっ!
プールに飛び込むんじゃねえ!!
銀八も、見えてるぞ!」


プールに飛び込もうとした蓮、蘭、銀八の三人は、正座させられる。


「小学生じゃねえんだ。
ガキみてえな行動は止めやがれ!!」


『『「はーい。」』』


「聞かなかったら、プールに入れてやらねえからな!」


『『「はいっ!」』』


歳三は後ろに向かって叫ぶ。


「平助!新八!原田!!
お前らも見えてるからなっ!!」


歳三は紙を広げる。


「一、プールサイドは走るべからず。」


『一、プールには飛び込むべからず。』


『一、シャワーをしっかり浴びて、化粧は落とすべし。』


『一、プールに突き落とすべからず。』


「……プール法度ですか?」


「ああ。
とりあえず、体操だ。体操。」


すると、プール法度に水がかけられる。
紙は破れ、歳三の顔にも水がかかる。


「なっ!」


「これで、プール法度とかいうアホらしいのは無くなったよね。」


『さて、サボりましょう。』


『『いぇーい!』』


「お前ら黙れ。」


椿が羽織っていたタオルを脱ぐ。


『あ、椿ちゃんセクスィー。』


「てめえっ、何でビキニなんか来てやがんだ!!」


『持っていた水着が、これしかなかったのよ。』


「お前、いい加減にしやがれ。」


「でも、プール法度は無くなったし。
いいんじゃないの、土方先生。」


「そうだよな。
こんな話するよりも、授業すべきだよ。」


「そうだ、そうだ。」


「ちっ。」


歳三に諦めの表情が見えた瞬間、全員が水鉄砲を取り出す。


『歳三、かーくごーっ!』


「てめえらっ!!」


「ごめんなさい、土方先生。
別にハメようと思った訳じゃないんですけど……。」


「ハメたんだな。」


『仕方ねーよ、教師だから。』


「てか、銀八まで入ってんじゃねえ!!」


――――――――――――


歳三は壁にもたれかかる。


「ちくしょう、何でこんなことに……。」


『それは、私の台詞だよ。
おかしい。絶対におかしい!』



二人の手には、水鉄砲。


『何で、私まで狙われてんだろ。』


「長谷川から奪って正解だったな。」


『てか、歳三って水鉄砲似合うね。』


「そんなことは、どうでもいい。
プールの外に勝手に出やがって。」


『最初に出たのは、歳三……。』


「黙れ。
とにかく、早く終わらすぞ。」


歳三が立ち上がった瞬間、頭上からバケツごと水が振ってくる。


「ちっ、外したか。」


『第二撃、用意完了!』


『ぎゃああああ!!』


蓮が歳三の腕を掴み、走る。


『そこまでじゃっ!』


「土方さん、悪く思うなよ!」


いたる所から、3Zメンバーが現れる。


『ぎゃああああ、濡れるううううう!!』


「お前、水着だからいいじゃねーか。
俺なんか、ワイシャツだ。」


『この後の授業、また体操服来てやる?
一に借りないと。』


「絶対に着ねえ。」


目の前には中庭の池。


「何で、こんなことになったんだよ。」


『映画とか、絶対に言うよね。
その台詞。』


池の手前で、二人は振り返る。


『歳三。
最後にお願い、聞いてくれる?』


「何だよ。」


『エアコン、つけて欲しいな……。』


「無事に帰れたら、考えてやるよ。」


『ありがとう。』


蓮は歳三の前に、立つ。


『歳三、大好きっ…だっ!』


蓮が抱きついた瞬間、歳三の顔に水がかかる。
バランスを崩した二人は、そのまま池に……。


『ぎゃああああ!』


「くそっ。」


びしゃびしゃの二人が見上げると、大きな水鉄砲を持った銀八。


「あ、いや……。
俺もクーラー欲しい。」


「誰がつけるか!!」


『えーっ。』


「逃げるな、銀八!!」


それを見ながら、3Z生徒は更衣室へ向かう。


『これで、次の古典は潰れるわね。』


「半分いくか、いかないかだろうけどね。」


『てか、一。
何準備してんの。』


「土方先生に、体操服一式を。」


夏といえば、塩素でしょっ!
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