薄桜学園3年Z組

□水泳より、プールの方が楽しそうに聞こえると思わない?
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『違ぁぁぁう!!
今回のタイトル、おかしいだろ!!
アホか!
お前らアホか!!

確かに塩素だよ。
塩素だけれども!!』


『あながち、間違ってないわよ。
それより、話してる暇があるなら、足を動かしなさい!』


『腕を振るんじゃ、腕を。』


『お前ら、ツッコミ担当じゃなかったの!
何で、俺が突っ込んでるの!?』


全力疾走の四人の手には、ビニールのバッグ。


『不味いよ!
あと、三分しかないっ!!』


『私、化粧を落とさなきゃならんきに。
急ぐぞ!』


『だから、ウォータープルーフを勧めたのに。
まあ、仕方ないわね。
遅かったら、置いてくわよ!』


『って、もう着いたじゃんか。
更衣室!』


『あと二分〜っ!!』


――――――――――――


塩素の薫りが漂う、素晴らしきかなプール。


『ヤバイ。
プールに入る前からビシャビシャなんだけど。』


『いやいや。
こっからスッキリするって。』


『その後、また汗だくになるけどな。
通気性の悪すぎる更衣室で。』


プールサイドの出てきた四人。
その前に立ちはだかったのは、まさかの古典担当教師。


『なっ、何故!』


「蓮達、今来たの?
それより、斎藤さんになってるよ。」


『なっ、何故っ!?』


歳三はため息をこぼす。


「二回も三回も説明させやがって……。
まあ、いい。

今日、生徒指導部が出払っていてな。
その関係で、俺だけが残されてんだ。」


『土方先生、ハミられたんだ。
かわいそー。』


「ふん。
いつも、そんな風に周りを敵に回しているからだ。
今日は、周りの教師陣も、清々していることだろう。」


「風間っ、蘭!
うるせえぞ!!

とりあえず、体育科も出払ってるから、俺が代わりに来たんだよ。」


『体よく、押しつけられたんですね。』


「土方先生の日頃の行いだよね。」


「お前ら、いい加減にしやがれ!!」


すると、プールサイドの門が開く。


「遅くなりましたー。」


「銀八っ!?」


入ってきたのは、水着の銀八だった。


「何で、来てんだよ。」


「何でも何も、歳三だけズリィよ。
俺だって、水浴びしてーもん。」


「してーもんじゃねーよ。」


「いいじゃねーか。
この時間、授業もないし。」


「だから……。」


土方は3Zの生徒に言う。


「お前ら、勝手にシャワー浴びてろ。」


『えー、地獄のシャワー。』


「地獄のシャワーって何だよ!
小学生かっ!」


『先生。
シャワーを温かくすることと、更衣室にクーラーを設置することを所望します!』


『皆、嘆願書を書くんじゃ!!』


「今、関係ねえだろうが!!
とにかく、さっさと浴びてろ!」


渋々シャワーを浴びる生徒達に混ざり、銀八もシャワーに向かう。


「銀八、話は終わってねえ!」


「やっ、止めろよ!
セクハラで訴えるぜ!」


「その前に、職務怠慢で訴えてやる。」
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