薄桜学園3年Z組

□これから、運動場に集合
1ページ/2ページ



『以上が、生徒会からの連絡な。
期日越さないように、銀時の兄貴に渡すように。』


「3Zは役員が勢揃いしているので、提出が遅いと私達に雷が落ちます。
なので、ご協力ください。」


天霧さんの笑みに、3Zの教室が凍る。


『あとは、応援団長にバトンタッチな。』


『おうよっ!
任しときな!!』


体育祭を二週間前に控え、本日のホームルームは準備である。
準備といっても、種目決めや旗作りなのだが。


『えーっと。
3Zの応援団長になりました、坂田蓮と。』


「雪村千鶴です。」


『皆の衆!
盛り上がってくぜぃ!!』


しかし、教室の空気は冷めきっている。
なぜなら、残念ながら担任に似てしまい、人一倍やる気の低いクラスなのだから。


『まーっつりじゃ、まーっつりじゃ!』


「そういえば、今年の紅白は【まつり】じゃなかったね。」


『やっぱさー、祭りはいいよね。』


盛り上がっているのは、極一名だけだ。


『というわけで、種目決めをしようと思います!

それでは、種目決め特別顧問の高杉椿にお願いします。』


『ええ。』


椿は教卓の前に立つ。


『クラス全員の体育測定の結果を確認しました。
それから、確実に勝てる種目に充てました。
確認しておいてください。』


椿はそれだけ言うと、席に戻る。


「……え?
決めるんじゃねーの?」


「オイ、決定済みって何だよ。
普通、皆で決めるんじゃねーのかよォ!?」


騒然とするクラスに、椿がピシャリと。


『お黙りなさい。』


「「「「すみませんでした。」」」」


初めて、クラス全員の声が揃った気がする。


『続いて、練習日程管理官の坂本向日葵から、連絡です。』


向日葵は、にっこりと笑う。


『めんどくさいきに。
毎週月曜とか?』


『月曜は体育あるから、疲れるだろ。
無しで良くね?無しで。
どーせ、このメンツなら運動出来そうだし。』


『じゃあ、各自で体調管理をしっかりしておいて。
あとは、適当にラジオ体操を覚えておくこと。
以上じゃ。』


蓮は教室中に言い渡す。


『皆の衆、当日まではダラダラ過ごそう!
それと、今からは睡眠学習ってコトで。
以上っ!』


「以上じゃねえ!!
勝手に決めんな!」


学校行事に関しても、3Zは自分達のスタイルを貫くのだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ