シリーズ

□そんな君に解答
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いきなり現れ、家に居座っている居候。
イケメンで幕末の偉人さんなんだが、子供っぽくて好き嫌いが多い。
そして、私のピンチには助けに来てくれる人。

私は、そんな彼に疑問があった……。


『今日も……か…。』


靴箱には、いつもの封筒。
本気でこれがラブレターなるものなら、どれだけ良かったか。


「どうしたの?」


『…っ!総司さんっ!?』

私は、慌てて手紙を隠す。


「いっつも、何か隠してるよね?」


『そんなことないですよ。』


必死で誤魔化すが、総司さんの目が笑っていない。


『そっ、それより。
……聞くまでもなく、大量ですね。』


「ホント、いい加減にしてほしいよね。」


『あはは…。』


それも、そのはずだ。
何たって、今は学校の一大イベントの直前なのである。


『……文化発表か…。』


「何、それ?」


『総司さんは知らないと思うけど、ウチの学校は文化祭が二回あるんですよ。
3年の発表があったり、2年が模擬店やったり…。

全部のイベントが終わったら、表彰とパーティーするんです。』


「ふーん。」


『興味なさそうですね。』


「あんまりね。」


総司さんらしい返答だと思ったのと同時に、なにか寂しく感じた。


「ねぇ、真鑼ちゃ…。」


「真鑼っ!!」


『夏希!』


クラスメイトの夏希が飛びついてくる。


「いやー、楽しみだね。
真鑼、一緒に回ろうなっ!」


『えっ……。』


少し悩む…。
あまり、学校のことも現代のことも知らない総司さんを一人にするのは、気が引ける。

しかし、最近の総司さんを見てると、自分はすごく邪魔者な気がする。
それに、ファンクラブの人達がいるし…。


『分かったよ、一緒に回ろ。』


「さっすがだぜ、私の真鑼!」


すると、総司さんが遅れてることに気づく。


『総司さん!置いて行っちゃいますよ!!』


「あっ、ごめん。」


教室に向かって、歩き始めた。






当日……。


『お待たせ!』


「真鑼、遅い!!」


クラスの店番が終わり、夏希と合流する。


『どこ回る?』


「バンドの発表とかは?」


『でも、私クレープ食べたいかも…。』


二人でワイワイしながら歩く。
すると、目の前に人だかりが見えてきた。


『何だろ?』


「さぁーね。」


よく見ると、群がっている女子の中心に総司さんがいた。


『やっぱり、総司さんにはファンクラブの人とか、いるもんなぁ。
大丈夫か……。』


「真鑼!」


『あっ、ごめん!』


その後、総司さんと会うこともなく、最後のパーティーになった。
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