四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□あとがき
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「俺は、絶対に認めませんからねっ!」


「お兄さん。
そこをなんとか……。」


「お兄さんなんて、呼ぶんじゃありませんっ!」


万事屋の居間にて、銀時と土方は向かい合っていた。


「妹さんは、絶対に幸せにします。」


「どーこの、馬の骨とも知れねえ野郎に、うちの可愛い妹を渡せるか!
しかも、名字があいつと同じなのが、尚更気に食わねェ。」


『いやいや、マヨラーよりイケメンで、いい奴だからね。』


「蓮は口出すんじゃありませんっ!」


『……………はい。』


男二人の空気に、神楽と新八も部屋の隅に追いやられ、たじたじである。


「仕方ねえ。
こうなったら、最終手段だ。
行くぜ、蓮!」


『えっ!?』


土方は蓮の腕を掴み、走り出す。


『ちょっ…ちょっと!』


「もう、駆け落ちるしかねえだろうが。」


『ぎゃっ、逆効果な気が……。』


「待ちやがれェェェ!!」


すると、蓮達の前に、椿と沖田、蘭と風間が現れる。


「もしかして、てめえらも。」


「やっぱり、土方さんの所もですか。
そんな気はしてたんですよ。」


すると、周りを兄'Sに囲まれてしまう。


「蘭から離れろっ!
貴様のようなタイプは、金持ち臭がしてムカつく。」


『兄貴。
行っとくけど、千景はこっち来てから、一文なしだからね。』


「椿、どけ。
俺はそいつを斬らねえと気がすまねえ。」


『兄様、すみません。
確かに、兄様の包帯に落書きしたのは、総司さんです。
しかし、髪の毛をいじって遊んでいたのは、また子です。』


「さっさと、俺の妹を残して、ここを離れな。
そして、二度と蓮に近づくんじゃねえ。」


「そうはいかねえよ。
俺はこいつを守り抜くって、再会した時に誓ったんだ。」


『歳三……。』


いよいよ、兄'Sの刀が抜かれる。


『まっ、マズい!』


その時、空から梯子が降ってきた。


「これは……。」


『早く乗るんじゃ!!』


小型船から聞こえた声は、向日葵のものだった。


『私達も、兄さんに追われちょる。
早く!!』


「土方さん達も!」


「ああ。
原田、助かる。」


皆順番に、梯子を上がっていく。


「向日葵〜!
わしは絶対に認めんからな!!」


『っ!
蓮、掴まるんじゃ。
とりあえず、発進させるきに。』


『わかった!』


蓮は梯子に掴まるが……。


「蓮、逃げるんじゃねえよ。」


「とりあえず、一人確保だな。」


「後は、あのムカつく名前の野郎を斬るだけ……。」


蓮の足は、高杉に掴まれている。


「手ェ、放せ。」


『っ………もう、嫌〜!!』


そんな様子を見ながら、小さな女の子が隣の三人の少年に訊ねる。


「ねぇ、兄様?
あの人達は、何をしてるんでしょう?
鬼ごっこ?」


「んー?
あれはなぁ……。」


「お前には、まだ関係ない。
いや……一生関係ない。」


「えぇー、残念です。」


「無駄口叩くな。
行くぞ。」


「へいへい。」


「申し訳ありません。」


長男であろう少年は、全てを知るかのように、口角を上げる。


「そのまま、ずっと守ってもらえ。
それが、俺の望んだ形なのだから。
な、蓮。」


――――――――――――


目覚めると、部屋の天井が見える。


『ゆっ……夢かぁ……。』


すると、襖ごしの居間から、土方と銀時の声がする。


『ん?もう、仲良くなったのか?』


蓮が居間に出ていくと、そこには頭を下げる土方がいた。


「妹さんを、俺にください。」


『(まっ、まさかのデジャビュ!?)』


この後、まるっきり同じ展開になるとも知れず、蓮は心の中で、悲鳴をあげていた。


ー終幕ー
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