四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Volume control
1ページ/3ページ



『てめえらっ!
銀魂ついてんのかァァ!!』


蘭の言葉に、広間の全員が沈黙する。


『そうだ、サッカーをやろう!』


『お前ら兄妹、ホント嫌い。』


『べっ、別に【なでしこジャパン】とか……関係ないんだからっ。』


『『『「……………」』』』


女子四人はスクッと立ち上がると、並んで部屋を出ようとする。


『ちょっ!置いてかないでよっ!!』


『『『「…………。」』』』

『そんな哀れんだ目で、私を見ないで!!』


椿は横目で風間を見ると、ため息を吐きながら、口を開く。


『風間、このバカに付き合わなくていいぞ。』


「何を言う。」


風間は蘭の横に立ち、肩に手をのせる。


「今回は俺も発案者の一人だ。」


風間には、全員から哀れみを含む眼差しが向けられる。


「貴様ら、俺は大真面目で!!」


『千景っ、落ち着くんだ。
冷静にならなければ、私達は奴らの思うつぼ……。』

「そうだな。」


風間はニヤリと笑い、土方を見る。


「何だ?俺はやらねえぞ。」


「貴様は、武士の嗜みも出来んのか?」


「その、さっかー?ってヤツは、どこが武士の嗜みなんだ?」


「ふふっ。
新選組副長が勝負事において、まさかの逃げ腰とはな。」


土方の額に、青筋が浮かぶ。


「上等じゃねえか。
てめえら、やるぜ!」


『え………。』


「蓮!
勝ちゃ、書類の作成は半分にまけてやる。」


『やらせていただきます。』


土方は笑顔で一にアイコンタクトする。


「土方さんのため……土方さんのため……。」


その横で、千鶴が何とも言えない表情をしていたとも知らず。

風間は部屋を抜け出そうとしていた、鬼組と左之助、向日葵の前に立つ。


「貴様らは、強制だ。
光栄に思え。」


「帰ります。」


「じゃあな。」


「俺は関係ないよ。」


「いいのか?
家主に喧嘩売って。

路頭に迷うぞ。」


鬼組は所定の位置に戻る。
もちろん、左之助も不知火に引きずられ、向日葵も引っ張られたのだが。


「ねえ、椿。
逃げないの?」


『誰が、やらないと言ったんですか?』


椿の目は、好戦的に光る。


『【サッカー】とは、敏捷性や反射神経、体力、判断力……。
様々な部分に効果的で……。』


「………はあ。」


いつかにもあった、椿の饒舌。
それだけで、誰の受け譲りか分かってしまう。


「それじゃあ、境内にコート作るぞ。

コート作るとこから、勝負は始まってるのだ。」


「望むところだ、この野郎。」


土方と風間を先頭に、皆それぞれの思いを抱いて、歩き出した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ