四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Right world
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沖田とレーンは、攻防を繰り返していた。


「君ってさ、投げる時に動きが大振りになるよね。」


「知るかよっ!!」


「ほら。
苛立ったら、隙が出来る。」


「んだと!!」


レーンが叫んでいる間に、二の腕を沖田の刀が擦った。


「間合いがあるからって、油断しすぎじゃない?
隙があったら、間合いなんていくらでも詰めれるんだから。」


「それなら。」


沖田の太ももを、ナイフが擦る。


「てめえの構えだって、下半身ががら空きだぜ。」


「っ!」


「剣ってのも、使う奴が使う奴だと、他愛ねーな。」

「なんだって!!」


「それとも、教えたや……。」


沖田は寸分違わず心臓を狙って突くが、レーンにギリギリで躱されてしまう。


「てめえのが、苛立つと動きが見切られやすくなるんじゃねーの?」


「そうかもねっ!!」


沖田の刀を片手で止めたレーンは、不敵に笑みを浮かべる。


「まあ、全力で向かってくる奴に、手を抜くってのも、嫌だしな。
本気って奴を見せてやるよ。」


レーンの髪が白く染まり、額から二本の角が伸びる。


「これが、俺らの真の姿って奴さ。」


沖田は弾き飛ばされ、壁に背をぶつける。


「っ!」


「これでfinishだ。」


レーンは沖田に向かって、ナイフを雨のように投げつけた。






一はシュレイクの剣を、なんとか避ける。


「斎藤…だったか?
お前の動きは速い、そして鋭い。
その動きは、日本の刀でしか出来ない技だ。
一撃目で勝負が決まると言っても良い。

だが、一撃目が避けられてしまえば、後がないのも事実だ。」


「あんたは、何が言いたい。」


「お前に俺は倒せない。
そこの女も護れない。

俺達が味わってきたのと同じように、屈辱すればいい。」


「…………。」


一は刀を一度納める。


「侍は大抵、手合わせすれば、相手の力量も思いも、何となく分かる。

あんたからは、怨嗟の念しか伝わってこない。
憎しみや恨みに気を取られれば、自身の力量は必ず落ちる。」


「お前に何がわか……。」


次の瞬間、シュレイクの髪紐が斬られ、髪が何本か落ちる。


「それに、あんたが言った【居合】という技は、一撃必殺というわけではない。

初太刀が躱された場合の追撃までが、含まれている。
故に、あんたに避けられたからといって、それが勝負に直結するとは限らない。」


「言うだけは、あるようだな。」


シュレイクは斬り落とされた髪から目を離し、一に鋭い眼差しを向ける。


「いいだろう。
そういうことなら、俺も本気でいかしてもらう。」


シュレイクの髪が、白く変色していく。


「羅刹…。」


「あんなモノと一緒にするな。」


シュレイクのスピードが上がり、一は押され始める。


「斎藤さんっ!」


「くっ……大丈夫だ…。」


珍しく焦りを露にする一に対し、シュレイクは余裕の表情である。


「でもっ!」


「大丈夫だ、千鶴。
武士は一度した約束は、死んでも守る。
あんたを、絶対に連れて帰る!」


「斎藤さ……。」


「えらく余裕だな、斎藤。」


「なっ!」


シュレイクの剣が、一の脇腹を貫いた。


「…そんな……。
……斎藤さんっ!!」
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