四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)
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『土方歳三による、千鶴救出作戦妨害を破り、屯所を抜け出してきた、蓮、沖田、斎藤、原田。
あと、オマケ一人は…。』
「オマケとは、どういうことだ?」
『今忙しいから、ちょっと黙ってろよ。キンキラ。
えー。
以上五名は、千鶴の捕われている敵アジトに向かっているのだった。』
「てか、蓮は何喋ってんだ?
独り言か?」
『最近、完全に続いてるからさ。
久しぶりの読者にも分かるように……。』
「だからって、空気をぶち壊すような事、しないでくれる?
嫌がらせ?」
『すいません……。』
「副長は、何も間違ったことなどしていない。
悪いのは、俺達のほうだ。
故に、先程のあんたの言い分は間違っている。」
『マジで、すいません……。』
すると、一番前を歩いていた風間が立ち止まる。
「ついたぞ。」
「ここが……。」
屯所より少し大きな屋敷が、蓮達の前に建っている。
「いよいよだね。」
「千鶴……。」
『皆、覚悟出来てるよね?』
蓮の問いに、四人は頷く。
『行くよ。』
蓮は戸を開く。
『御用改めである!!』
西洋の鬼、【う゛ぁんぱいあ】と名乗った四人組についてきた千鶴は、ずっとフカフカの椅子に座っていた。
「…………。」
「レーン、俺の飯とるな。」
「知るかよ!
こーいうのは、早い者勝ちっ……って、俺のパイは!?」
「早い者勝ちなんだろ?」
「兄貴!?」
「兄様!?」
ちなみに、今の時間は夜半である。
この鬼達も、羅刹同様に日が沈んでからのほうが動きやすいようだ。
そんな中、千鶴は毎日どこかで見ていたような光景に、懐かしさを覚えていた。
「(一日も過ぎてないはずなのに、こんなに淋しく思っちゃうなんて……。)」
「お口に合いませんか?」
千鶴が横を見ると、同い年くらいの少女が声をかけてくる。
「い、いえ。
その……独特というか、不思議というか……。
食べたことのない食べ物で、びっくりしたけど、すっごく美味しいです。」
「良かったです。」
少女、レイルは嬉しそうにふわりと笑う。
「(可愛らしい人だな……。)」
「私達は、千鶴さんを捕って食おうと思っているわけじゃないです。
ただ、理不尽なことをしようと思っているのは、事実です。」
「…………。」
「でも、私達が生きるためには、それしかないんです。」
千鶴は小さく頷くと、気にしないでと言った。
「ありがとうございます。
ちゃんと約束は守りますから……。」
「……はい。」
その時、屋敷に大きな音が響く。
『御用改めである!!』
その声に、ルークが立ち上がった。
「ふっ、来たか。
坂田蓮……。」