四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Make it early
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新選組屯所内が騒がしい。
いつも騒がしいが、その三倍程騒がしいのだ。

なぜなら、会津からの贈物とやらが届いているらしい。


『なあ、蓮。
土方から、なんか聞いてねーのかよ?
飯とか、菓子とか、肉とか。』


『知ってたら、言ってるわ!
歳三のヤロー、関係ねえの一点張りでさぁ。』


『まあ、土方さんにも理由があるんだよ。』


『ったく、総司さんまで連行しやがって…。』


「椿さん、落ち着いてください。
キャラが崩れてます。」


幹部は全員が一室に籠もっていて、女五人が一室に閉じ込められている。


『片付けが出来ないのが困るなぁ。』


「後で私も手伝いますから…。」


『男共の所為なんだから、あいつらにやらせなさい。』


椿の機嫌が悪いのは、昼寝を邪魔されたかららしい。
誰がと言わない時点で、沖田が土方に睨まれていたのだが…。


「それにしても、皆さん遅いですよね。」


『ったく、俺らも行く…。』


「皆ぁ〜!」


平助の声が聞こえる。


『平助?』


『その髪……まさか、ハゲ…。』


「てねぇ!!」


平助は、髪の毛をばっさり切って、シャツとベストを来ていた。


「平助君、どうしたの?
いじめられたの?」


『だから、永倉さん言ったのに…。』


「だから、違うって!!」


平助はそう叫ぶと、千鶴の腕を握って、引っ張っていく。


「とりあえず、皆来てって!!」


残りの四人も平助を追いかける。


『なんだろ?』


『衣装チェンジみたいな…?』


『まあ、今回からオリジナル編突入って、管理人も張り切ってましたからね。』


すると、平助が思いっきり障子を開く。


『えっ?』


『はぁ?』


『………。』


『「あれ?」』


五人は開いた口が塞がらない。


『あれ?
なんで皆、髪切ってるんだよ?』


「袴でもないし…。」


『てか、変わってないのは、新ぱっつあんだけじゃない?』


「いやいや、俺の着物見ろって!
それに、近藤さんのが変わってないっての…。」


確かに、全員が髪を切って袴が洋装に変わっているが、近藤だけ変わっていない。


『もしかして、これが贈物?』


「ああ。」


「じゃあ、皆さん何で髪を…。」


「心機一転して、これからも頑張っていこう的な…。」


「総司、それは本当か。」


土方の目が光る。


「はい。
僕の分も、土方さんと蓮ちゃんが。」


『私を巻き込むなぁ!!』


土方が咳払いをして、話し始める。


「それでだが、お前達にも届いて…。」


『マジかよ!』


『会津、ナイスっ!』


「……話を聞け。」


「椿達、見たい?」


椿以外が頷く。


「じゃあ、空けるよ〜。」


沖田が木の箱を開くと、中から服が出てくる。


『千鶴ちゃんの可愛いね。』


「そうですか…?
似合うかな……。」


千鶴は赤を基調とした、桜の刺繍が施された洋装。

向日葵の物は緑のスカートと、黒い上着に向日葵があしらわれている。


『まあ、悪くないですね。』


まんざらでもなさそうな椿は、黒い上着の中心が緑地になっており、そこに椿が刺繍されていた。


『俺も中々だな。
平助みたいに、ベストにしよ。』


蘭は青い上着、ベストには蘭が刺繍されている。


『蓮、どんなだった?
って…おい、どうしたんだよ。』


『おかしい…。』


『はぁ?』


蓮は服を広げて、土方に抗議する。


『歳三!どうして、私のは超紫ってるのさ!!
何?ペアルックですか、バカップルですか!?』


「俺のは黒いだろ…。」


『刺繍んところ、紫っぽいだろ。
ってか、歳三のイメージカラーだろ!!』


「しるか。」


『それよりも…。』


蓮はスカートを取り出す。


『何でスカートなんだよ!!』


「だから、会津の奴らが送ってきたから…。」


『言い訳なんて、聞きたくねぇー!!』


「まあまあ…。
土方さんも蓮ちゃんも痴話喧嘩はそ…。」


『「痴話喧嘩じゃねえ!!」』


「仲良いじゃん…。」
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