四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

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蓮と蘭は縁側を歩く。


『俺ら、何で邪魔者扱いなんだ?』


『それは、私らが邪魔者だからだろ。』


『あ、そっか。』


本日は、新選組幹部総出の花見である。

しかし、手伝おうとした蓮と蘭は追い出された。
現在、勝手場に侵入禁止を言い渡されたのは、上の二人と沖田、土方である。


『沖田は、アレだろ?
邪魔されたら、って話だろ。
でも、何で土方さんまで?』


『それは、アレさ。』


『アレって、何だよ。』


『色々あるの。
まあ、自主規制してるだけマシさ。』


『あっそ。』


蓮は袖を捲り、やる気を出す。


『仕方ないし、私らで場所取りしに行くか!?』


『よっしゃ〜!
やっぱ、動いてねぇと調子出ねぇし!!』


と、その時。
塀の上から、金色の頭が現れる。


『あれ?何か見えなかった?』


『ってか、あんな髪は一人しかいねーだろ。』


『おーいっ!風間!!』


しかし、風間は一向に出てこない。


『何してんだよ。』


『今、誰もいないから…。』


「んっ、そうではない。
ちょっ、不知火!右!!」


「こうかよ。」


「やはり、この大荷物では…。」


「文句を言うな!!」


やっと登ってきたと思ったら、背中には風呂敷に包まれた大荷物があった。


「ふぅー。」


『いやいや、風間君。
ふぅーじゃなくて、何をしてらっしゃるんですか?』


「何って、お泊まりに来ただけだが?」


『『お…お泊まりぃ〜!?』』


すると、背後で皿の割れる音がする。
振り返ると、唖然とした千鶴と椿がいた。


「あっ、風間さん。
こんにちは。」


『ってか、昼間から何をしてるんですか。
土方殿に見つかったら…。』


「椿、千鶴ちゃん!!」


「おいっ、さっき皿の割れる音が…。」


土方と沖田が駆けてくる。
そして、二人は塀の上にいる風間を発見する。


「貴様ら、この俺がお泊まりに来てやったぞ。
ありがたく思え。」


「はぁ?ふざけてんじゃねえ!!」


「そうだよ、何で君を泊めなきゃいけないのさ。」


「蓮、蘭。
お前ら、避けてろ。」


刀を抜く二人に、蓮と蘭は焦る。


『ストップ!ストップ!
話せば分かる。わかりあえるんだぞ!!』


「斬られた奴が、何言ってやがる。」


『斬られた奴が言ってんだ、聞いてやってくれねぇか?土方さん。』


「………総司、刀を引け。」


「土方さ…。」


「あいつらが言ってんだ。」


「そうですね。」


すると、風間の後ろから、天霧と不知火、薫がでてくる。


「お邪魔いたします。」


「邪魔するぜぃ。」


「やあ、ブラコン。」


『どーも、シスコン。』


椿と薫は黒い笑みを交わし合う。


「とりあえず、全員客間に来い。
話だけなら、聞いてやる。」


「蓮ちゃんと蘭君は、割れた皿の片付けね!!」


『『てめぇー!逃げんなぁ!!』』





風間の話はこうだ。


「我らは薩摩に属していたが、義理は返した。
故に、藩から抜けてきた。
貴様らと戦う理由は無い。」


「は?」


「ちょっと待て、千鶴はどうなるのだ!?」


「斎藤さん、大丈夫です。
話はついてますから。」


千鶴は笑顔で言う。


「それは…どういう…?」


「前に風間さんがいらっしゃって、ちゃんと話をしたんです。」


『俺ら同伴でな。』


「聞いてねえ。」


『だって、歳三には黙ってたもん。
言ったら怒るっしょ?』


「言わなくても怒る。」


土方はため息を吐くと、話を戻す。


「つまり、てめえらは風間を屯所に【無断】で入れ。
挙げ句の果てに、千鶴と会わしてたのか。」


『それは、一回だけだ。
他は世間話だしな、風間。』


「そうだな、蘭。」


「一回じゃねえのかよ。」


風間は自分の決意を話す。


「俺は頭領として、女鬼を嫁に迎えなければならなかった。
しかし、千鶴は他の者を選びたいと言ってな。」


「そんなの、言ってません!!」


「言わんでも分かる。
それで、俺も近い気持ちが分かるようになったのでな。」


「千鶴から、手を引くと…。」


「お陰で、俺や天霧も追い出されてよ。
いい迷惑だぜ。」


「不知火、てめえも苦労してんだな。
後で一杯やろうぜ。」


「おっ、いいな。」


すると、近藤が涙ながらに言う。


「君達の苦労は良く分かった。
確かに、今までは敵であったが、今日からは友だ。
何かあったら、何でも言ってくれ。」


「近藤さんっ!」


「いいじゃないか、トシ。」


土方もしぶしぶ承諾する。
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