四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Kick it down
1ページ/4ページ



お疲れ様会、ならぬ暴露大会以降、蓮は軟禁状態だった。


『ってぇ〜、椿の約束は、どうなったんだ!
何が“これ着たら、土方殿の仕事の手伝い、二日分マケてもらってあげるわ。”だ。
どうなってんだ、あのアマぁ!!』


「うるせえ、黙って仕事ぐらい出来ねえのか!?」


『うるせぇ、騙された人間の身にもなれ!!
あいつら、あえて部屋に近づいてこねぇだろ!!』


相変わらず、柱に縛りつけられている蓮は、縄を解くために暴れる。


『もう。これ以上、引きこもってたら、もうおかしくなるぅっ!!』


「大丈夫だ。
お前は、元からおかしい。」


『っ!最近、言うようになったな。』


「んだけ、てめえに付き合ってりゃあな。」


土方は振り向かずに、ただひたすらに筆を動かす。


『……面白くない。』


「何か言ったか?」


『何も。』


すると、襖ごしに山南の声がする。


「土方君、蓮君。
今、よろしいですか?」


『いいよぉ。』


「勝手に返事するな!!」


『別に減るもんでもねぇのに。』


山南は襖を開き、中に入ってくる。


「すみませんね、お邪魔してしまって。」


『いやいや、全然。お構い無く。
ってか、むしろ超じゃまして欲しい。』


「だから、お前が言うな。」


山南は苦笑しながら、土方に紙を渡す。


「会津からか。」


『何、何?』


「お前には、関係ねえ。」


『こんだけ手伝ってやってんだ。
ちっとぐらい、教えろよぉ〜。』


「気色悪ぃ。」


『んだと〜!!』


出ていこうとする山南に、蓮は声をかける。


『山南さん!』


「どうしたんですか?」


『実はさ。
昨日、凄い夢見ちゃって…。』


「夢ですか?」


「また、馬鹿みてーな夢だろ。」


『なめるな!ただのバカじゃない。』


「結局、そこは否定しないんですね。」


蓮は夢の内容を話し始める。


『部屋の中に、私と椿と土方、沖田。
あと平助もいたな。』


「なんだ、その組み合わせ。」


「それが、なぜ私に関係するんですか?」


『いいから、落ち着いて聞けって。

そしたらな、山南さんが駆け込んできてな。
羅刹化するんだ。』


「山南さん。
あんた、いつの間に変若水飲んだんだ。」


「土方君。
夢の話だと言っていたでしょう。
飲もうものなら、ダブル馬鹿に殺されます。」


『あれ、その呼び方って…。』


「椿君に教わりました。」


『あの女ぁ!!』


「それで、どうなったんだ?」


土方は蓮に聞く。


『何げに気になってる?』


「………。」


『しょうがないなぁ。
そんな土方君のために、話してしんぜよう。

山南がな、白髪でツンツン頭になって…。
そこまでは良かったんだけど。
よく見たら、全身ヌルヌルだったんだよ。
いやベタベタ?…ドゥルドゥル……ビタビタ……。
あっ、ズルズル。…ズルズルだよ、ズルズル。』


「どれも、変わらねぇだろ!」


すると、山南は吹き出す。


「山南さ…。」


『蓮君。
残念ですが、羅刹化しても髪はハネませんよ。
スーパーサイヤ人じゃありませんから。』


そう言って、山南は去っていった。


『………あれ?
何で山南さんが、スーパーヤサイ人を知ってんの?』


「知るか。」


二人は黙々と筆を動かす。


『うっ…うう。』


「!」


『うぎゃ…。』


「蓮、どうした!?」


土方は慌てて縄を解く。


「大丈夫か!?」


『どうかしましたか?』

声を聞いた向日葵が覗きに入る。


「向日葵か。
こいつ、急に…。」


『う……うぅ…と…とぅ…。』


『ああ。』


「ああ。って何が…。」


向日葵はさして問題ないとでも言うように、洗濯物を持ってUターンする。


「ちょっ…ちょっと待て!」


『土方さん。
それに、何日糖分を与えていませんか?』


「えっ…四日ぐらいだが。」


『そんなものか…。』


「まさか。」


『そう。
禁断症状です。』


蓮は呻く。


『と、糖……糖分。
俺ぁ…壊すだけでゃ……糖分のない世界を…。
糖分の夜明けぜよぉ…。
あひゃひゃひゃ。』


「完全に壊れてやがる。」


『バカが三乗されてますね。』


向日葵はそのまま行ってしまった。


『あひゃひゃひゃひゃひゅ。
あっ、噛んじまった。
塩分じゃない、糖分だ。』


「おい。
今から、茶屋にでも行くぞ。」


『本当か!!』


「もう復活か…。」


『う…うぅ……と。』


「別に、構いやしねえよ。
しょうがねえ、四日分の頑張りに免じて、好きなもん食わせてやる。」


『じゃあ、パフェで!』


「この世界にあるもんにしてくれ。
お願いだから。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ