四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Janus faced boy
1ページ/3ページ



先日、浪士捕縛の手柄を上げた蓮達。
まあ、実際のところ活躍したのは椿と蘭だったのだが…。

その祝いとして、今日は角屋に来たのだが、その光景は先日と変わらないものだった。


『い〜や〜だぁ〜!』


『お疲れ様会なのに!
俺の祝いなのに!!』


『あなた達二人、役に立ってないでしょ。』


『俺が沖田、呼びに行ってやったんだろーが!』


『私は強制連行されて、暴れたくても、暴れられなかったの!!』


『はいはい。』


椿は先日の着物を着て、現在進行形で向日葵と千鶴も着替えている。


『だぁーるぇが、着るかぁ!
着るくらいなら、私は腹を斬る。』


『じゃあ、やってみなさい。』


『えっ?止めてくれないの!?
うぁー、ドS!!』


『椿のドSは、今に始まったことじゃねーだろ。』


すると、椿が切り札を出す。


『蓮。』


『えっ?』


『これ着たら、土方殿の仕事の手伝い、二日分マケてもらってあげるわ。』


『えっ!?』


『蘭は着たら、夕餉のおかず、私の分を分けてあげるわ。
明日から一週間ね。』


『ひゃっほーい!』


『だから、着るわよね。』




一方、広めの座敷に通された男組は、着替えに行った四人を待っていた。


「なかなか、帰ってこねーな。」


「女は大変なんだろ?
色々とさ。」


「でも、何で蘭も行っちまったんだ?」


「そりゃ、こないだの潜入した時の着物を、披露してくれるからなんだろ?」


三馬鹿が盛り上がる中、土方と沖田、斎藤は端で静かに飲んでいる。


「そういえば、この間の件。
土方さん、蓮ちゃんと二人で、早々と帰ったらしいじゃないですか。」


「ケガした奴を、あんな所に放っておけないだろ。」


「でも、それにしては楽しそうにしてましたよね。」


「総司、土方さんだって男だ。
息を抜きたい時もある。」


「さ…っ、斎藤っ!」


「あははっ。
一君に言われたら、弁解のしようがないね。」


その時、襖の外から声が聞こえる。


「皆さんっ!お待たせしました!!」


千鶴を先頭に、四人が座敷に上がる。


「誰だ?」


「新ぱっつあん、何言ってんだよ。
どう見たって、千鶴と椿と向日葵と……誰?」


「普通に蓮と蘭だろ。」


「えぇ〜!!」


「女みたい!!」


『『女だっての!!』』


新八と平助の驚きようは、凄まじい。


「女ぁ!?」


『やべっ、口が滑った。』


椿の視線が、蘭に突き刺さる。


「え?女?」


「蓮は知ってたけど……女?」


『そうだよ。』


土方と左之助は目を点にし、新八と平助は空いた口が閉まらない。


「土方さん、最高…。
ぷぷっ。」


『想像以上ですね。
さすが、土方殿です…ふふっ。』


「椿、お前。
いつの間に、性格が歪んだんだ。
総司に似てきちまった。」


『違うよ、土方。
それは元からだよ。
その子は、S属性なんだよー。』


「土方さんが、気づいてないとは…意外です。」


「斎藤、お前は気づいていたクチか!?」


「これだけの間、一緒に生活してたら、自然とわかります。」


新八は納得したように言う。


「だから、一緒に風呂行こうって言った時も、断られちまったんだな。
いっつも、風呂は最後だったし。」


「でも、何で黙ってたんだ?」


左之助の疑問に、椿と向日葵は口を揃えて答える。


『『土方殿〔さん〕の、驚いた顔が見たかったからです!!』』


「はぁ?」


「ふはは…。
二人とも、最高!」


土方の口から、盛大な溜め息が漏れた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ