四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Force for dead
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それは突然起こった。


『ねっ、猫さんっ!!』


『向日葵!?』


風呂上がりに、屯所に住み着いていた猫と遊んでいたのだが。
その猫が、隣の邸に入り込んでしまったのだ。


『もう暗いから、明日にしようぜ!』


追いかけていく向日葵に蘭は叫ぶが、声は届かない。


『まったく…。』


蘭も急いで後に続く。

二人は塀を登り、邸に侵入する。


『あれ?
ここって、空き家だよね?』


『ああ…。
なんで人の気配がするんだ?』


二人は不信に思い、気配の方に近づく。


『だれか、いんのか!?』


『一人じゃないよね?』


二人は、とりあえず猫を捜す。


『帰ったら、土方にでも報告するぜ。
浪士の可能性もあるしな。』


『うん。』


二人は庭を探索する。
しかし、一向に猫はみつからない。


『向日葵、明日にしようぜ。』


蘭が提案する。


『明日、猫も気配の正体も探しゃいいだろ?』


『うん…。』


その時、邸の影から何が現れる。


『だれ!!』


二人の目に、まず入ったのは浅葱色だった。


『っ、隊士かぁ。』


『驚かせやがって!』


次の瞬間、蘭に刀が振りおろされる。


『蘭!!』


『向日葵は、絶対に動くなよ!!』


蘭は隊士を見て、驚愕する。
なぜなら、初めてこの世界に来た時のように、隊士の髪は白く、目は赤かったからだ。


『ちっ…。』


背後から現れた隊士も相手にし、蘭は圧されている。


『(こうなったら、あれを使って…?)』


『向日葵、後ろ!!』


向日葵が気配を感じ、振り向くと、羅刹の白刃が襲いかかっていた。


『きゃあ!!』


『向日葵!!』


しかし、いつまでたっても向日葵の体を、痛みが襲わない。


『左之!!』


向日葵が、おそるおそる瞳を開くと、刀が槍の柄で受けとめられていた。


『左之助さん…?』


「悪ぃな、遅くなっちまって。」


蘭と左之助は、次々に羅刹を葬っていく。


「とりあえず、二人は屯所に帰りな。」


最後の一人が灰になったのを見届けて、左之助は言う。


『わかったけど。
帰ったら、教えてもらうぜ。』


「ああ。」


残った羽織を拾う左之助に、向日葵は駆け寄る。


『ありがとうございます!』


「いいってことよ。
それより、悪かったな。恐い思いをさせて…。」


『いえ、私は大丈夫です。』


そうして、二人は屯所に帰った。
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