四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Endless days
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その日、京都の街に雪が積もった。


「蓮!!」


日課となっている、土方と蓮の追い駆けっこ。
周りの隊士達も慣れっこで、二人のどちらが勝つか、夕餉のおかずで賭けている。


「蓮さん!
鬼の副長になんか、負けんな!!」


「土方さん、俺の肉じゃががかかってんだ!
早く、蓮ちゃんを捕まえてくれ!!」


「てめえら、俺らで夕餉の賭けするの、止めろって言っただろうが!!」


『土方ぁ、皺が増えるよ。』


蓮の言葉に、聞いていた隊士達は爆笑する。


「蓮さんと蘭さん、それに沖田組長と椿さんのペアぐらいだよなぁ。
土方さんに、あんなこと言えるの。」


「やべぇ、惚れそう。」


土方と蓮の闘いは、ますますヒートアップする。


『さって、どこに逃げっ……ったぁ!』


蓮は雪の上で足を滑らし、その場ですっ転ぶ。


『ってて…。』


「観念して、お縄につきやがれ。」


『えぇー、せっかくの雪日和に、部屋の中で座り仕事なんて、ヤダ。』


「甘えてんじゃねえ。
それに、室内の方が暖かいぜ。」


『おコタがないのに、暖かいもクソもあるかぁ!』


蓮に縄が掛けられようという時、平助と蘭の声がする。


「おーい、蓮。
それに土方さん!」


『今から、雪合戦しよーぜ!!』


土方は呆気にとられ、目を見開く。


「大丈夫だって、近藤さんには言ってるし。」


『とりあえず、行こうぜ!!』






いつもの広間に行くと、幹部のメンバーが揃っていた。


『土方さんと蓮、連れてきました!!』


「蘭君、ご苦労!!」


近藤も、いつもの朗らかな笑みで、労いの言葉をかける。


「なんで、巡察のお前らがいるんだ。」


「源さんが変わってくれたんですよ。」


「たまには息抜きしろってな。」


「てめえらは、いつでも息抜きしてるだろ。」


左之と新八が苦笑いを浮かべ、近藤に話を進めるよう促す。


「そうだった。
蘭君の意見で、第一回、幹部対抗【雪合戦大会】をする。」


『土方さん、なめるなよ!
これはなぁ、剣士としての技術を磨くために必要な、修行の一環だ!!』


『そうです。
私達の師が、そう言ってましたから…。』


沖田が蓮の耳元で零す。


「なんで、椿ちゃんがやる気なの?
一番嫌がりそうなのに…。」


『あの子、師匠大好きっ子なんですよ。
なんつーか、あそこ二人の兄妹は…。』


まあ、うちも変わらないけど…。
と言った蓮に、土方が。


「ますます、てめえらの師とやらに会ってみてえな。」


と言う。


「審判は、この近藤勇と…。」


「私が行いますよ。」


山南の眼鏡が光る。


「組の分け方は…。」


チーム乙
土方・蓮・蘭・平助・新八


チーム甲
沖田・椿・左之助・向日葵・千鶴・一


となった。



「勝利条件は、相手側の大将を破れば勝ちとしよう。」


そうして、闘いの火蓋は切って落とされた。
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