四輪花(銀魂→薄桜鬼トリップ夢)

□Don't be gentle
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『(なぜ私は、ここにいるんだろう。)』


椿は縁側で一人、物思いに耽る。


『(お兄様の鬼兵隊に入って、初めての大仕事。
それを、蓮達に止められたのが始まり。)』


椿は、元いた世界と唯一同じな太陽をみつめる。


『(太陽だけは同じなのに…。
世界も、組する組織も、全てが違う…。)

私は、どうしたらいいのだろう…。』


そして、椿の頭に過るのは、一人の男。


『あれが、一番の問題よね…。』


『何が問題なんだ?』


尋ねてきたのは、蘭である。


『間違えたわ、問題は一人じゃなかった…。』


『そっかぁ、大変だなぁ。
ガンバ!!』


蘭は去っていく。


『(蘭は、とりあえずの目的は一緒だったはず…よね。
なんで敵に順応してんのよ!?)』


椿は歩き始める。


『(第一、蘭は女を隠してるし…。)』


すると、新選組の頭脳と言うべき土方の部屋の前を通る。

中では、土方と柱に括りつけられた蓮が、文机に向かって、筆を走らせていた。


『(あの首を取れたら、きっと私の目指す未来に近づけるけど…。)』


この世界で行っても、意味はない。
その上、宿を失う。


『(それに、あのバカが暴走しないのも、土方のおかげだもの…ね。)』


椿は、また足を進める。


『(昔から、あまり合わないし、ムカつく奴だったけど。
何だかんだ、一番私達を思ってくれてるのよ、蓮は…。

土方殿になら、安心して任せれる。)』


すると、今度は庭で洗濯物を干す、向日葵と左之助がいた。


『(あの二人もお似合いだよ。
私は、ずっと一人なのに…。)』


その時、蘭は前の角から出てきた人物とぶつかる。


「だ、大丈夫ですか!?」


『大じょ…って、千鶴殿?』


『椿さんでしたか…。』


千鶴はホッとする。


『どうしたんですか?』


「いや。
ぶつかったのが、土方さんや、沖田さんだったら…と。

土方さんは、蓮ちゃんが来てから、凄く丸くなったんですけど…。
沖田さんとぶつかったら、私…。」


『大丈夫ですよ。
あれは、右から左にスルーしておけば、いいんですから。』


椿は、千鶴に手を差し伸べる。


『それで、どうなさったんですか?』


「あ、はい。
今から、野菜を買いに行こうと思って…。」


『なら、私が行きますよ。
前に、組長に教えてもらいましたから。』


「ありがとうございます。」


その時、椿は思った。


『(この子が一番、まともじゃないか?)』
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