光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十一 約束!!
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二人がナルトとサクラのもとに帰ってくると、カブトの姿があった。


「敵か…!?」


『違うよ、カブトさんだって。』


事情を聞くと、ナルトとサクラが巻物を開こうとし、それを止めてくれた様だ。


「……ったく、救いがたいな…………。」


「危ないところだった…。」


「ご…ごめんなさい…。」


サクラもナルトも、反省気味だ。


『カブトさん、ありがとね。』


「礼には及ばないよ。
ルールを無視した者は、必ず…リタイヤせざるをえない状況に追い込まれる…。

前回の試験では途中、巻物を見た者には…【催眠の術式】が、目に入り込む様、仕込まれていた。
試験終了の時間まで、【死の森】で横たわるって寸法さ……。」


サスケがカブトに尋ねる。


「ところで…確か…カブトとか言ったな…。
こんなとこ、一人で何ウロウロしてんだ。」


「…別に、君たちの巻物を狙ってたってワケじゃない。」


「だろうな…。
もし、その気なら…さっきナルトから奪い取れたはずだからな…。

アンタも狙いは【天の書】ってワケか……。」


「いや…僕は、もうそろってる…。

いろいろあってな…。
はぐれた仲間を、塔付近で待とうと、急いでいた途中さ。」


カブトは【天】と【地】の巻物を見せる。


「じゃ、僕はこれで…。」


「待て!!勝負しろ…。」


「…………勝負だって…!?」


『はぁ〜。言うと思った。』


サスケはカブトを睨む。


「サ…サスケくん…!!」


「このバカ。
急に、何言ってんだってばよ!」


「………本気かい…。」


「………悪いが。
もうオレたちには、時間がねえからな……!」


「おい、コラ。サスケ!!
カブトさんは、オレたちを助けてくれたんだぞ!!」


「サ…サスケくん…。
ちょっと、それは私もどうかと…。」


「うるさい…!」


サスケは焦りを隠せない。


「サスケくん…。」


「仕方ねェんだよ…。
さっきも言ったろ!
もう、この森で生き残るには、これしかねえんだよ。」


『別に、それでも構わないけど。
でも、サスケがそんなことして、自分を許せるの?
中忍になっても、後悔しない?』


「アズサ!?」


『それ、本心じゃないでしょ。』


「アズサさんの言う通りだよ。
ウソだね。」


「……ウソ……?」


「キミは自分で言ってるほど、心を撤しきれていないな…。
もし、キミが本当にこの試験に、シビアになりきれるのなら…。
なぜ、僕に勝負を挑む必要がある。

わざわざ、そんな宣言をせずに…。
僕が油断している隙に、襲えばいいのさ…。
それが忍者だ。」


「…………!!」


「ボクは、そんなキミが嫌いじゃないよ…。
だから、教えよう。
君たちの進むべき道を。

ただ、移動しながら話そう。
焚き火の煙に、焼き魚の臭いが、かなり遠距離まで届いていた。
このままじゃ、猛獣や敵にマークされる。」


四人はカブトについて行く。


『カブトさん、意外と見てるんだね。
びっくりだわ。』


「ははは。
君は、ボクから巻物を奪わなくて良かったのかい?」


『別に、大丈夫ですよ。
宣言しようがしまいが、奪える自信があるもの。』


「参ったな、これは本当に獲られちゃいそうだな。」


サスケがカブトに尋ねる。


「本当に、まだ敵はいるのか?」


「ああ、間違いなくね……。
ちょっと考えれば、分かる。

こういうジャングルや広い森の中での戦闘において、最も利口な戦い方って知ってるかい…?」


『周りの敵が確実に通る場所を目指すってこと?』


「ってことは、ラスト1日となった時点で、最も巻物を集めやすいのは…。
その塔付近ということになる。」


サクラが気づく。


「あ!なるほど…待ち伏せね!!
つまり…私たちは…。

【天】【地】両方の巻物を入手して、塔を目指してるチームの巻物を狙うワケね…!」


「3分の1正解。」


「え?」


「そう考えるのは、君たちだけじゃないってことさ…。
塔付近には、同じ穴のムジナが、もう罠をはってるだろうな。」


「そっか!!
オレらを迎え討とうと待ち伏せしてる敵が……。
いっぱいいるってことだな!
フン!ハンデがあるぐらいの方が、燃えるってばよ!!

望むところだ!
そいつら全部ぶっ倒して、天の書さえ手に入れちまえば…。
オレたち全員、第二の試験突破だ!!」


サクラが再び尋ねる。


「カブトさん…残りの3分の1の答えって…?」


「この手の試験で必ず出現する、コレクターのことさ…。」


「コレクター?」


『ほら、巻物を余分に持ってたら、試験が有利になるでしょ。
次の試験では敵が減るし、危ない敵に会っても、見逃してもらえる可能性が出来る。』


「言わずとも分かることだが……。
こいつらは、かなりの実力者で、決して慢心しない。
最悪の敵だよ…!!」


「なるほどな…………アンタが、オレたちの前に現れた理由が分かったぜ…。
アンタも怖いんだろ……。」


「………そうだよ。」


『(こいつ…本当にそれだけ?
やっぱり食えないな…。)』


すると、五人の前に塔が現れた。
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