光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十 決意!!
1ページ/4ページ



木の根で出来た洞窟の中で、アズサとサクラは看病する。


「うう…ぐっ…。」


『サスケ、どう?』


「だんだん、呼吸は整ってきたけど…。
でも、まだすごい熱……。」


『ナルトは寝てるだけだから、いいけどさ。
サスケは、ヒドイみたいだね。』


「アズサは大丈夫なの!?」


『大丈夫、大丈夫。』


そうは言うものの、顔は青く息も荒い。


『そう、心配しないでよ。
私のは、ただの毒みたいだしさ。
問題は、サスケとナルト。』


「でも…。」


『サクラ、あんたこそ休みな。
私が見といてやるからさ。』


「アズサが起きるなら、私も起きる。」


『ん、ありがと。』


二人はそのまま夜を明かし、気づけば朝日が昇っていた。


『サクラ?』


「あっ、ごめんっ。」


『大丈夫だよ。
やっぱり休んだほう…。』


サクラは、必死に首を横に振る。


『サクラ…。』


その時、草むらから音がする。


『っ!』


二人が振り向くと、リスが近づいていた。


「何よ。
あんまり驚かさないで……。」


『っ、そこは!』


サクラはクナイを投げる。


「フー…。危ない、危ない。」


サクラは心配そうな表情で、サスケとナルトを見る。


『サクラ、大丈夫だよ。
サクラは、絶対に守る。』


「アズサ……。」


『私が嘘ついたこと、あった?』


「…………あったかも。」


『いやいや、そこは無いって言ってほしかった。』






しばらくすると、サクラが座りながら寝ているのに気づく。


『あれ、もしかして私も寝ちゃってたかな…。
………サスケ、ナルト。』


二人の額に乗せたタオルを、取り替えようとした時。


「クク…。
寝ずの見張りかい。」


サクラも起きた様子で、2人で振り向く。
そこには、音の額当てをした三人組がいた。


「でも、もう必要ない…。
サスケ君を起こしてくれよ。
ボク達、そいつと戦いたいんでね!」


『音の三人衆…。』


「……な……何言ってるのよ!
大蛇丸って奴が、陰で糸引いてるのは、知ってるわ……。」


大蛇丸の名前を出すと、三人は目を見開く。


「サスケ君の、首すじの変なアザは、何なのよ!!
それに、アズサの体に何したの!!

サスケ君とアズサを、こんなにしといて…何が戦いたいよ!!」


『サクラ、待って。
あいつらの驚き様だと、向こうも知らないみたいだよ。』


「どーいうこ…。」


「さーて…。
何をお考えなのかな…あの人は…。」


『やっぱり…。』


しかし、音の三人は引くつもりは無いらしく、逆に笑みを浮かべる。


「しかし…それを聞いちゃあ、黙っちゃられねーな。
この女も、オレが殺る。
サスケとやらも、オレが殺る…。
あの女は、アズサって奴だろ?
殺っちゃいけねーなら、手足でも切断して、連れてくか?」


「待て!ザク。」


「あ?何だよ?」


真ん中の包帯でグルグルに巻かれた男が、地面の草を剥がす。


「ベタだなあ……。
ひっくりかえされたばかりの石…土の色。
この草は、こんな所には生えない…。」


「クッ…。」


「ブービートラップってのはさ…。
バレないように作らなきゃ、意味無いよ。」


「チィ…くだらねェ……。
……あのクナイは、リスがトラップにかからないようにする為だったのか。」


「まあ、この女なんか用無いからさ。
すぐ、殺そ。」


三人は一気に迫ってくる。
しかし、サクラとアズサはニヤリと笑う。


『サクラ!』


「うん。」


サクラは、クナイについていた紐を切る。
すると、頭上から丸太が落ちてきた。


「丸太!!?
上にもトラップが、ヤバイ!!

なーんてね…。」


次の瞬間、丸太が粉々になる。


『まずい!!』


アズサはサクラの前に立ち、クナイを投げる。
しかし、それも落とされてしまう。


『(まずい。視界が霞んで…。)』


「はっきり言って、才能ないよ。
君達は…。
そういう奴は、もっと努力しないと、ダメでしょ!
弱い君が、ボクらをナメちゃいけないなぁ!!」


『だまっ…!!』


二人の前で、三人衆が飛ばされる。
目を開くと、サクラとアズサの前にリーが立っていた。


「だったら、君達も……努力すべきですね!」


「な…何者です……!?」


「木ノ葉の美しき、碧い野獣…。
ロック・リーだ!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ