光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)
□軌道四 VS桃地再不斬!!
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「消えた!?」
再不斬が消えた事に、一同は驚きを隠せない。
「まずは、オレを消しに来るだろうが…。
………桃地再不斬。
こいつは霧隠れの暗部で、無音殺人術[サイレントキリング]の達人として、知られた男だ。
気がついたら、あの世だった。なんてことに、なりかねない。
オレも写輪眼を全て、うまく使いこなせるわけじゃない…。
お前達も、気をぬくな!」
ナルト達の額に汗が滲む。
「どんどん、霧が濃くなっていくってばよ!」
《8か所。》
どこからともなく、再不斬の声が響く。
「え?
なっ…何なの!?」
《咽頭・脊柱・肺・肝臓・頸静脈に鎖骨下動脈。
腎臓・心臓…。
……さて…どの急所がいい?
クク…。》
『どれも、ごめんだっつーの。』
アズサは小声で毒づく。
カカシは何かに反応したように、殺気を強くする。
「(ス…スゲェ、殺気だ!
…眼球の動きひとつさえ、気取られ、殺される。
そんな空気だ。
…小一時間も、こんなところに居たら、気がどうにかなっちまう!)」
サスケの体が震える。
「(上忍の殺気…。
自分の命を握られてる感覚…。
ダメだ…これなら、いっそ死んで楽になりたいぐらいだ…。)」
『サスケ…大丈夫だよ。』
横にいたアズサが、笑顔を向ける。
『サスケは、カカシせんせーが守ってくれるって!
私も含めて、ね!』
「サスケ…そういう事だ。
お前達は、オレが死んでも守ってやる。」
カカシも振り返り笑顔を向ける。
「オレの仲間は。
絶対、殺させやしなーいよ!」
その言葉に、皆安堵する。
《それは、どうかな………?》
再不斬の声は、アズサ達の後ろでする。
「終わりだ。」
再不斬は刀を振るう。
しかし、それはカカシによって防がれる。
アズサは、ナルトとサスケを蹴り飛ばすと、タズナとサクラを抱え、離れる。
『おじさん、サクラ。
大丈夫?』
「ああ。」
「うん。」
アズサが振り返ると、再不斬を刺したカカシの背後に再不斬がいる。
「先生!!後ろ!!」
カカシの前にいた再不斬は水になる。
後ろの再不斬が、カカシを二つに両断する。
「ギャー!!!」
しかし、カカシも水分身だった。
『上忍の戦いってのは、気が気じゃないねぇ…。』
「動くな…。」
カカシは再不斬にクナイを当てる。
「終わりだ。」
「ス…スッゲー!!!」
ナルト達にも笑顔が宿る。
「………クク、ククク……。
終わりだと………。
…分かってねェーな。」
カカシは目を見開く。
『(あの状況で、あの自信は…。
何か布石があるってことか?)』
「…サルマネごときじゃあ…このオレ様は倒せない。
絶対な。
クク……しかし、やるじゃねェーか!
あの時、すでに……オレの【水分身の術】は、コピーされてたって訳か……。
分身に、いかにもらしいセリフを、しゃべらせることで…。
オレの注意を完全に、そっちに引きつけ。
本体は【霧隠れ】で隠れて、オレの動きをうかがってたって寸法か。
けどな…。」
カカシの背後に、新たな再不斬が現れる。
「オレも、そう甘かねーんだよ。」
前にいた再不斬が水に戻る。
「そいつも、水分身ー!!?」
再不斬が刀を横に振る。
『カカシせんせー、伏せて!!』
カカシは咄嗟に伏せる。
アズサはクナイを刀に投げ、軌道を反らしてみせる。
しかし、再不斬は刀を地面に刺し、上手く反動を利用しながら、カカシに強烈な蹴りを入れる。
再不斬は止めを刺そうとしたが、アズサの投げたまきびしで足止めを食う。
「せんせー!!」
「(あ…あの、カカシ先生が………。
蹴飛ばされた……!?)」
「(体術もハンパじゃねェ…!!)」
『(やばいな。
カカシが圧されてる状況は、非常に不味い。)』
水に浸かったカカシの背後に、再不斬が立つ。
「フン…、バカが。
【水牢の術】!」
カカシが振り向く間もなく、カカシは水の球体に閉じ込められてしまう。
「ククク…ハマったな。
脱出不可能の特製牢獄だ!!!
お前に動かれると、やりにくいんでな。
…さてと…カカシ。
お前との決着は後回しだ。
…まずはアイツらを、片付けさせてもらうぜ。
【水分身の術】!!」
水中から再不斬が、もう一人現れる。
「ククッ…。
偉そーに額あてまでして、忍者気どりか…。
だがな、本当の【忍者】ってのは、いくつもの死線を越えた者のことを、いうんだよ。
つまり…オレ様の手配帳にのる程度になって、初めて忍者と呼べる…。
…お前らみたいなのは、忍者とは呼ばねェ…。」
再不斬が消えたと思ったら、ナルトが殴り飛ばされる。
再不斬は、ナルトの額あてを踏みつけた。
「ナルトォ!!」
『ちっ!』
アズサは、再不斬本体にクナイを投げるが、まったく相手にならない。
『正攻法じゃだめか…。
体術じゃ、私の勝ち目はねぇ。
どー、動くか…。』
カカシが叫ぶ。
「お前らァ!!
タズナさんを連れて、早く逃げるんだ!!
コイツとやっても、勝ち目はない!!
オレを、この水牢に閉じ込めている限り、こいつは、ここから動けない!
水分身も、本体からある程度離れれば、使えないハズだ!!
とにかく、今は逃げろ!」
アズサがナルトの前に立つ。
『サスケ、ナルト。
おじさんとサクラ連れて、逃げな。』
「アズサ…!!」
サスケは血相を変える。
『安心しなよ、ただの時間稼ぎだけさ。
カカシせんせーと、すぐに追いつくから!
(最悪、相棒を使えば…。
とりあえず、皆の安全を優先だな。)
さて、再不斬だっけ?
殺り合おうか?』
しかし、ナルトが立ち上がり、アズサの前に出る。
『ナルト!?』
「うおおおお!!!」