光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道三 Cランク任務!!
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里の門を、勢いよくナルトが飛び出す。


「出発ーっ!!」


「何はしゃいじゃってんの、アンタ。」


「だって、オレってば。
一度も里の外に出たことねェーからよ。」


『それはおめでたいなぁ。
ナルト、初の里の外。ならびに、初のCランク任務。』


ナルトとアズサはハイタッチをする。


「おい!
………本当に、こんなガキで大丈夫なのかよォ!」


「ハハ…。
上忍の私がついてます。
そう心配いりませんよ…。」


ナルトは腕を組み少し考えると、タズナに向かって指差した。


「コラ、じじい!
あんまり忍者をなめんじゃねーぜ!
オレってば、スゲーんだからなぁ!

いずれ、火影の名を語る超エリート忍者!
…名を、うずまきナルトという、覚えとけ!!!」


「火影っていやー、超一番の超忍者だろ。
お前みたいのがなれるとは思えんが。」


「だー、うっさい!!
火影になるために、オレってばどんな努力もする覚悟だってーの!!
オレが火影になったら、オッサンだって、オレのこと認めざるえねェーんだぞ!!」


タズナはナルトを一瞥すると、歩みを進め始める。


「認めやしねーよ、ガキ…。
火影になれたとしてもな。」


すると、タズナの前にアズサが立ちはだかる。


『ちょいと待ちな。
あんた、ナルトの夢にケチつける資格ないでしょ。
ナルトの夢は自由だよ。
それを認めないなんて、おかしいんじゃない?』


タズナも少し怯むが、すぐに相変わらずの表情に戻る。


「アホはあの金パツじゃが、穣ちゃんはバカみたいじゃの。
ひょろっとして、弱そうじだ。」


「オレだけじゃなくて、アズサまで!
ぶっ殺ーす!!」


「だから、やめろ。
バカ、コイツ。」


カカシはナルトを掴み、むすっとしたアズサにアイコンタクトで念を押す。
ついでに、今にもクナイを投げそうなサスケに、変な気は起こすなと笑みを向けるのも忘れずに。

しばらくして、サクラが話を切り出す。


「ねぇ…タズナさん。」


「何だ?」


「タズナさんの国って【波の国】でしょ。」


「それが、どうした。」


サクラはカカシに向き直る。


「ねえ……カカシ先生…。
その国にも忍者っているの?」


「いや、波の国に忍者はいない…が、たいていの国には。
文化や風習こそ違うが、隠れ里が存在し、忍者がいる。」


カカシによると、木ノ葉以外にも五つ隠れ里があるらしい。


『(じーちゃんって、んなスゴいのか!?)』


「へー、火影様ってすごいんだぁ!」


「………お前ら。
今、火影様疑ったろ。」


それにアズサ以外の三人が、過敏に反応したのを見て、アズサもちょっと安心した。


「ま…安心しろ。
Cランクの任務で、忍者対決なんてしやしないよ。」


「じゃあ、外国の忍者と接触する心配はないんだァ………。」


「もちろんだよ。アハハハ!」


すると、目の前に水溜まりを発見する。


『なぁ、サスケ。
最近、雨なんか降ったか?』


「この辺だけ降ったんじゃないのか?」


『でも…いや、気のせいか。』


次の瞬間、通り過ぎた水溜まりから二人の忍が飛び出してくる。

そして、二人組はカカシを鎖で巻きつけた。


「なに!?」


「え!!?」


「な…なんだァ?」


『まっ…まさか、さっきの!!』


「一匹目。」


二人組が鎖を引っ張ると、カカシの体がバラバラになる。


「キャー!!」


「カ…カカシ先生ェ!!」


『心配してる暇はないよ!
急いでじいさん護らないと!』


その時、ナルトの背後に二人組が迫っていた。

サスケは素早く、手裏剣とクナイをホルスターから取り出す。


『ナルト!伏せっ!!』


「えっ!」


ナルトがしゃがむと、サスケが手裏剣とクナイで鎖を木に縫いつける。

アズサがナルトの腕を引っ張った。
ナルトがさっきいた場所を振り向くと、サスケが二人組を蹴り飛ばしていた。


『ナイスッ!』


すると、今度は二人組が鎖を取って、ナルトとタズナに襲ってくる。


『サスケ!サクラを!!』


「!」


アズサがサクラ達に目をやっている間に、ナルトに二人組の片割れが迫っていた。


「うわあ!!」


『ちっ。
体術は得意じゃないんだけどな!』


アズサはクナイを投げ、片割れの服を地面に縫いつける。
そのまま、思い切り蹴り飛ばす。

それを、いつの間にか現れたカカシが片手でキャッチし、サスケと対峙していた相手も押さえられていた。


『カカシせんせー、遅い!』


「悪い悪い。
ナルト…すぐに助けてやらなくて、悪かったな。
ケガさしちまった。
……お前が、ここまで動けないとは、思ってなかったからな。

とりあえず、サスケ、アズサ。
よくやった。
サクラもな…。」


アズサは横のナルトに訊く。


『ナルト、大丈夫!?
ごめん、間に合わなくて…。』


「アズサは悪くないってばよ!」


すると、サスケがアズサを引き寄せ、ナルトを挑発する。


「よォ…。
ケガはねーかよ、ビビリ君。」


「!!!」


ナルトが言い返そうとしたが、その声はアズサによって遮られる。


『ビビリって!
ナルトだって頑張ってたじゃないか!!』


「はぁ。」


『なんで、溜め息つかれなきゃいけないのさ!』


「アズサ!ケンカはあとだ。
こいつらの爪には、毒が塗ってある。

ナルト。お前は早く毒ぬきする必要がある。
傷口を開いて毒血をぬかなくちゃならない。
あまり動くな。毒がまわる。」


カカシは後ろに立つタズナに目をやる。


「タズナさん。」


「な…何じゃ…!」


「ちょっと、お話があります。」
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