光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道二十 旅立ち!!
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幼なじみより、家族といった方がしっくりくる。
そんな彼女に、最初会った時から、好意を持っていた。

家族としてじゃない。
兄にも譲りたくない、半ば独占欲に誓い感情。


「言っておくが、一目惚れで初恋だったんだぞ。」


あの時。
空から降ってきた彼女は、天使のようで、それくらい綺麗だった。


「こんな、バカだとは思わなかったけどな……。」


彼女が戦闘狂と呼ばれてるのは知っている。
そう取られる行為をしているのも、彼女が自分で肯定していることも。

でも、あれは本心じゃない。
もう、周りの誰かが死ぬのが見たくなくて。
もう、自分のせいで傷つかないでほしくて……。
大切なものが、自分の前から消えるのを恐れていた。

ただ、それだけ。
怖がりな彼女の、精一杯の強がり。


「そういや、礼を言ってなかったよな。」


それを知っていて。
それなのに、彼女を置いて行く自分は、薄情だろうか。


「なあ。」


首に下げられたペンダントに手をかける。


「これを選んだ時、お前はどんな気持ちだった?」


碧い石のペンダントは、ゆらゆら揺れている。


「オレは、スゲェ嬉しかった。
目覚めた時、イタチを憎む事よりも、お前への愛しさが募って……。
ったく、何言わせんだ。」


アズサの頭を軽く撫で、ペンダントに手をかける。


「お前のことだから、信用なんねェって思ってんだろ。
仕方ないから、貸しといてやるよ。
だから、お前のも貸せ。」

アズサの首に碧のペンダントをかけ、自分の首に紅のペンダントをかける。


「絶対に、迎えに来てやるよ。
オレが強くなって、お前を守れるようになったら。」


アズサの額に口づけを落とすと、彼女は気持ち良さそうに顔を綻ばす。

ずっと、その寝顔を見ていたい。
だが、無情にも時間は迫る。


「オレが迎えに来るまで、浮気すんじゃねェぜ。
少しの辛抱なんだからな。
それまで……さよならだ。」


ああ。
やっぱり、邪魔しに来るのはお前か……。


「サスケェ!!」


オレは……。
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