光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十八 決別!!
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「ふ…二人とも、やめよ。
ね。」


「ついて来い。」


「フン!!」


ナルトとサスケは屋上にたどり着く。


「ハッ。」


「何がおかしい。」


「おかしいんじゃねーってばよ。
うれしいんだよ。
お前に…ここでやっと、勝てると思ったらな!」


「何だとォ。
落ちこぼれが、ほざいてんなよ。」


「いつまでも、落ちこぼれの、足手まといじゃねーぜ。」


サスケは苛立ちを顕にする。


「てめェ…このウスラトンカチが。
何、図に乗ってんだァ!」


「へっ…クールなお前が、いつになくわめくな。
らしくねーじゃねーの?

…もしかして、ケンカ売っといて、ビビってんじゃねーのか?
サスケェ…。」


「さっさと来い!」


「その前に、額当てをしろ。
待ってやる。」


「いらねーよ、そんなもんは…。」


今度は、ナルトが怒りを見せる。


「いいから、しろ!!」


「お前は、オレの額に、傷一つつけることすら、出来やしない!」


「違うっ!!
これは、木ノ葉の忍として、対等に戦う証だって、言ってんだよ!」


「そういうのが、図に乗ってるって言うんだ!
てめェとオレが対等だと思ってんのか!?」


「ああ、思ってるっ!!
オレは一度も、お前に劣ってると思ったことは、ねーよ!」


「目障りなんだよ!!」


「それは、お前が弱いままだから、だろーが!
サスケちゃんよォ!!」


「ナルトォオオ!!」


「サスケェェッ!!」


二人は、少し殴り合うと、間合いを取る。


「【多重影分身の術】!!」


サスケは一人づつ確実に倒す。


「う!ず!ま!き!
ナルト連弾!!!」


サスケは空中で印を結ぶ。


「火遁!!【豪火球の術】!!」


「うわぁっ!!」


「あちィ!」


しかし、サスケの豪火球が消えていく。
その中心で、ナルトが術を発動していた。


「クソがぁ!」


サスケはそのまま、千鳥を発動させる。


「やめて…二人とも…。
やめてよー!!」


サクラはふと思う。
ここに、アズサがいれば、どうしただろうと。


「アズサ、助けてよ!!」


いつも不敵な笑みで、何でもこなしてしまう。
彼女がいれば、こんな事にはならなかったんじゃないかと……。


「(アズサ……。
頼ってちゃダメだ。
私が止めなきゃ。)」


サクラが走りだす。
目指すは、二人の間。


「二人とも、やめてェ!!」


間に入ったサクラに、二人は驚く。
しかし、急に術を止めることは出来ない。

ふいにサクラの肩が引かれる。


『ごめん。
遅くなった。』


「え……?」


サクラの前に立つのは、紛れもなくアズサだった。


――――――――――――


『ありがとうございます。』


「お礼を言われるほどじゃないよ。
何たって、私は五代目火影なんだ。」


綱手が木ノ葉に来た事を聞き、アズサは病院に駆けつけていた。


『それでもです。
サスケのことも、リーのことも、ありがとうございます。』


リーの名前が出た時、綱手が眉間に皺を寄せる。


「その事なんだが……。」


『どうかしたんですか?』


綱手が口をつぐんだ、その時。


――アズサ、早く来て――


サクラの声が、聞こえた。


「おっ、おい。」


『ごめんなさい。
お礼は、また改めて!』


アズサは、全力で走りだす。
綱手の呼び止める声が聞こえたが、それどころではない。
頭の中では、警鐘が鳴っている。


『何か、よく分かんないけど……。
お願いだから、間に合って!』


アズサが病院の屋上にたどり着くと、目の前には対峙したナルトとサスケ。

サスケの手には、千鳥。
ナルトの手には、何かの術。
そして、その間に向かって、走るサクラ。


『あの、バカッ!』


アズサは走り、サクラの肩を引く。


『ごめん。
遅くなった。』


「……えっ?」


アズサはナルトとサスケの間に立つ。


「ダメっ!
アズサ!!」


『(ヤバイな……。
どうやって止めたら……。)』


確実に迫る、二人の腕。


『(私が当たれば、ちょっとくらい反省するかな?
この、バカ二人。)』


その時、アズサの前に影が覆い被さった。
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