光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十六 木ノ葉崩し!!
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逃げる我愛羅達、砂の三人。
その前に立ちふさがったのは、サスケとアズサだった。


「チィ…!」


「逃がしゃあしねーよ!」


カンクロウが我愛羅を下ろし、テマリに引き渡した。


「テマリ。
我愛羅を連れて、先に行け!」


「ああ…。」


アズサもサスケに振り向く。


『サスケ、私も……。』


「…………。」


『サスケ!?』


不服そうなサスケに、カンクロウが言う。


「しょーがねーじゃん…。
お前の相手、オレがしてやるよ!」


「いや…!
お前の相手は、こっちだ…!」


木陰から出てきたのは、シノだった。


「てめーは…。」


「シノ…。
なぜ、お前がここに!?」


「お前らが会場を出る前に蟲を使って、雌の蟲の臭いを付けさせてもらった。
雌の臭いは、ほぼ無臭…。

その雌の微かな臭いを嗅ぎつけるのは、同種の雄だけだ…。
雄自身の方が、臭いは強いがな…。」


「…くっ…!」


シノは表情を変えずに言う。


「うちはサスケ…お前らは、我愛羅を追え…。
なぜなら、お前と奴との勝負はついていない。
それに、アズサも奴と戦うことになっていたかもしれんしな。

オレは、こいつとやる……。
…なぜなら、元々こいつの相手は、オレだったからだ。」


「フッ……。」


「ここは、任せろ。
行け!」


「チッ。」


「…えらい強気だが…大丈夫かよ?」


「心配は要らない…。
10分もあれば、お前らの援護に行ってやる。」


「フン…。
その頃には、こっちも終わってる。」


アズサは振り向きかけて、止まる。


「どうかしたか?」


『一つだけ、訂正しとこうと思って……。
私と我愛羅が戦うことは、無かったよ。

だって、サスケが絶対に勝ってたもん。』


「ほう……。」


『サスケは強いもん。
それに、約束は絶対に守る。』


サスケは片手で顔を押さえ、目を反らす。


「行くぞ。」


『うん!』


二人は我愛羅の後を、再び追った。


――――――――――――


二人が我愛羅に追いついた時、テマリが突き飛ばされた瞬間だった。


『テマリさんっ……!?』


「まて、アズサ。」


サスケはアズサを止めると、視線を向ける。
そこには、頭を抱えて苦しむ我愛羅がいた。


「…てめーら砂が、何企んでるかは知らねーが…。
お前は、オレが止める!

それに……お前の正体を見定める…。」


我愛羅は立ち上がり、笑みを浮かべる。


「強い、お前…。
うちはと呼ばれる、お前…。
仲間のいる、お前…。
目的のある、お前…。
大切な人間がいる、お前…。
オレに似ている…お前…。

お前を殺すことで…その全てを消し去った存在として。
オレは、この世に存在する…。
オレは【生】を実感できる!!」


再び苦しみだした我愛羅の腕が、少しずつ変化する。
それは、右半身に広がり、異形の姿に変わっていった。


『っ……。』


「アズサ!?」


『大丈夫……。
少し頭が痛んだだけだから。』


アズサの両手が、サスケの震える両手を包む。


『大丈夫だよ。
絶対に……大丈夫……。』


「アズサ……。」


その時、サスケの写輪眼が、迫る我愛羅を捉えた。
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