光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十四 陽遁と陰遁!!
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アズサが、キバにお礼を言うだけ言って、修行を始め、早一週間。
しかし、修行は木登りではない。


『ていやー!
とりゃー!
うおー!』


アズサは銃を撃ち続ける。


『ふりゃー!
とりゃー!
うおー!』


掛け声のバリエーションが無くなってきた頃、アズサは地面に座り込んだ。


『くそー、全然撃てないじゃないか!!』


アズサは地面を殴るだけ殴って、座り直す。


『こう……戦ってる時は、何も考えずに出来るんだけどな……。』


最初の時は、白にサスケが倒された時。
次は、大蛇丸が現れた時。


『何か、絶体絶命の大ピンチの時に出てくるんだけどな……。
でも、そうじゃない時に出さなきゃだしな……。』


アズサは愛銃を眺める。


『どうやったら、陰遁が発動するんだろ。
でも、コレが出来ないと、修行も見てもらえないし。
何より……。』


アズサの脳裏を、サスケが掠める。


『サスケを護れないよ。』


自分が強くなる理由。
自分が修行する意味。
そして、そのための中忍という、明確な目標。


『なりたいじゃない、ならなきゃいけない……だ。』


そのために必要な力。
それが、自分のもう一つの能力だと感じる。


『サスケを護りたいから……。
本当の気持ちを塞いでも、強くなりたい。
だから……伝えられない言葉の変わりに、この力を……。』


アズサは銃を構える。


『この世界で一番大切な人のために、この力を……。』


アズサの指が、引き金にかかる。


『私の体、私の力だろ。
だったら、出てきやがれ!!』


アズサの放った弾は、暗い光のようだった。


『……あ、出た。』


アズサは少し放心していたが、我に帰る。


『やった……やったー!!
出たよ、出た!
陰遁だ!!』


アズサは、さっそく木の前に立つ。


『よーっし、行くぞー!!』


アズサは走りだし、木に足をかける。
すると、足を中心にして、木がめり込んだ。


『う、嘘だぁ〜!!』


その後も、アズサの叫び声と銃声が響いたのは、言うまでもない。


――――――――――――




『ぜぇー、はぁー。』


「アズサ、遅かったじゃない。」


『修行は……。』


カカシはニッコリ笑って言う。


「もしかして、今日が本番ってこと、忘れてない?」


『…………嘘。』


「本当。」


アズサはハッとする。


『サスケは?』


「んー、それがね。」


岩影から覗くと、サスケは修行に勤しんでいる。


「アズサ、先に行って。」


『会場に?』


「ほら、サスケが遅れるって伝えなきゃ。」


アズサはサスケとカカシに背を向ける。


『サスケは、強くなったんだよね。』


「まあね。」


『楽しみだな。』


アズサは会場に向かって走り出した。


軌道十四 陽遁と陰遁!!
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