光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十三 誓い!!
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『まだ……かな……。』


アズサは、サスケとカカシが入っていった部屋の前にしゃがむ。


『あの痣は……私のみたいに簡単には治らないってこと……?』


「そんなことはないわ。」


見上げると、そこには一人の男がいた。


『……誰?』


「警戒しなくてもいいわ。
別に、取って食おうってわけじゃないもの。」


『あなた……。』


「サスケくんにあげたのは、私のモノっていう印。
あなたには、サスケくんのために、弱くなってもらいたかったのだけど……。」


男は、アズサに近づく。


「まさか、本当に自力でねじ伏せるなんて。
流石は、巫女って所かしら。」


『私のモノ……印……って。
まさか、大蛇丸!?』


「今、気づいたの。
あなた、意外と鈍感なのね。」


アズサがホルスターに手をかける前に、大蛇丸はアズサの手を拘束する。


『痛っ……。』


「やはり、あなたも必要だわ。」


『近づくなっ!』


アズサは抵抗する。


「ふふっ……。
あなたもいずれ、私のモノになる。
サスケくんと共に……ね。」


『サスケと、共に……?』


アズサは抵抗を止め、大蛇丸を睨む。


「どうしたの?
もう終わり?」


『……サスケに、手を出すな。』


アズサは大蛇丸を蹴り、間合いを取る。


『私は絶対に屈したりしない。
あなたなんかに、絶対負けない。
サスケも、木ノ葉も護ってみせる!』


「……ふふっ……はははっ……。」


『なっ、何がおかしいの!』


落ち着いた大蛇丸は、ニヤリと笑う。


「サスケくんは、必ず墜ちるわ。」


『そんなこと…。』


「サスケくんは、もうあなたの思っている、大切な弟なんかじゃないわ。」


大蛇丸はアズサに背を向ける。


『サスケは、絶対にあなたのモノになんて、ならないんだから!』


大蛇丸は、廊下の奥に消えていった。
すると、部屋の扉が開く。


「アズサ、大丈夫か?」


『せんせ……。』


「大丈夫だ。
サスケは無事だよ。」


カカシの表情が、真剣なものに変わる。


「アズサ。
今から話す話は、サスケの痣と大蛇丸についてだ。」


アズサは首を縦に振った。


――――――――――――


治療が終わったアズサは、ベットで眠るサスケを眺めていた。


『サスケ……なんか、すごいヤツに、目をつけられちゃったね。
なんでだろ。』


サスケの手を握り、アズサはサスケの頬を撫でる。


『でもね、最悪だって思うから、最悪になっちゃうんだ。
だから、むしろ強いヤツと戦ったら、イタチ兄ぃに近づくと思うことにしたの。

だから、大蛇丸ってヤツが来るのも、大歓迎。
ってか、ぶっ倒してやろうって思うんだ。』


アズサの目に、涙がたまる。


『だから、絶対に逃げないよ。
大蛇丸ってヤツの事も、イタチ兄ぃの事も。

サスケは、私が護る。
たった一人の、大切な家族だもん。』


アズサは涙を拭うと、笑みを浮かべる。


『私、頑張って強くなるから。
もう、誰にも幸せを奪わせたりしないから。』


〈サスケの中の復讐心が強まれば、自ずと呪印が発動する。
そうすれば、きっと呪印に飲み込まれる。

それを止められるのは、ナルトでもサクラでもない。
アズサだよ。〉


『復讐なんて、止めよう。
二人で、一緒にいよう。
私は、そのための盾になるから。

私以上の誰かを見つけるまで。
私に出来る事は、それだけだから……。』


アズサはサスケの寝顔に微笑む。


『大好きだよ、サスケ。』
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