空色スパイラル2

□第八十八訓 理想の彼女はやっぱり南ちゃん
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銀時の病室で、愛は林檎を剥く。


『銀時、ごめん…。』


「だから、気にしてねーって言っただろ。」


『でも…。』


前回の爆発で銀時は愛を庇い、現在はミイラ男とかしている。


『でも、私のせいで頭が…。』


「大丈夫だって。
俺、頑丈だからよ。
アフロだって、天パがパワーアップしたと思えば…。」


『………。』


「……ジャンプ、買ってきてくれね。
それで、チャラってコトで。」


『うんっ!行ってきまっす!!』


愛は病室を出て、走り出した。





『ジャンプ…ジャンプと……。』


愛は一階の売店でジャンプを探す。


『もう、売れちゃったかな…。』


諦めようとした、その時。


『あっ、あった。』


残り一冊のジャンプを発見した。


『良かった…。
これで、銀時が…。』


しかし、ジャンプを手にした瞬間、愛の手に誰かの手が重なる。


「ちょっと、放しなさいよ!」


『私の方が早……さっちゃん?』


「愛!?」


現在、さっちゃんは任務で病院に潜伏中らしい。
そこで、さっき会った銀時に、ジャンプを頼まれたそうだ。


『私が遅かったからな…。』


「大丈夫よ、今から持っていけば。」


『なんで、さっちゃんはそんなに持ってるの?』


「ジャンプだか、サンデーだか、ガンガンだか。
どれ買えば良かったか、分からなくなっちゃって。」


『良くあるよね。』


「けど、愛に任せれば、大丈夫そうね。」


さっちゃんは人差し指を立てる。


「この病院で、臓器売買が行われてるそうなの。
対象は患者らしいけど、愛も気をつけてね。」


『うん、ありがとう。
さっちゃんも頑張ってね!』


さっちゃんはロビーを去っていった。


『さて、銀時のところへ…。』


「愛!!」


今度は神楽が飛びついて来た。


『神楽、どうしたんすか?
銀時には、会ってきた?』


「愛、何もされてないアルかっ!?
ロウソクとかっ、ロウソクとか…。」


『えっ、大丈夫だけど…。』


「良かったアル。
愛は、銀ちゃんの所に行っちゃダメアル!!」


『え?』


すると、新八とマダオ、お登勢やキャサリンがやってくる。


『何か、あったんすか?』


「それが…あの…。」


「インモラルネ!不潔ヨ!!」


『えーっと?』


「とりあえず、そういう事です。」


『………うん?』


「まあ、気にすることないよ。
多分、懲りてるだろうから、銀時の所に行ってやりな。」


意味深な言葉に疑問を持ちながら、銀時の病室のほうに向かう。


『結局、何があったんだろ…?』


その時、階段から人が降ってきた。
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