空色スパイラル2

□電車侍編
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新八が、まだきていない万事屋。


『ねぇ、最近の新八…。』


「愛。
朝早く起こされて、眠いアル。」


『ごめんね…。
でも、新八が…。』


「新八?
俺というものがありながら、新八だと。」


「嫌アル!愛は銀ちゃんにも新八にも、譲らないアル!!」


『だから…。』


その時、玄関のチャイムが鳴る。


「俺、いってくるわ。」


銀時が居間を出る。


『だからね。
最近、新八の様子がおかしいと思わない?』


「そうアルか…?」


『うん。
だから、原因を…。』


「これみたいだぜ、原因。」


銀時が箱を持って、入ってくる。


『なんすか?それ。』


「新八宛の荷物。」


『じゃあ、何で空けてるの?』


「そりゃあな、保護者として何が入って…。
あっ、手紙。」


「見たいアル!!」


三人で手紙を読む。


「先日お世話になったお礼に、私なりに志村さんに似合いそうなものを選び、お送りさせていただきました。」


「つまらないものですが、身につけてくれると嬉しいです。」


『よろしければ、もう一度お会いして、改めてお礼が言いたいのですが。
いかがでしょうか?
気が向いたらでいいので、御連絡、お電話待っておりますっすか。』


「エロメスって、どこのホステスだよ。」


『似合いそうなものって、何すかね?』


「これじゃないアルか?」


神楽は猫耳をつける。


「ニャオォォォォ!!
どうコレ、銀ちゃん。愛。
カッコイクね?」


『可愛いの間違いじゃないっすか…?』


「オイオイ、あんまり勝手にいじるんじゃねーよ。
それ、新八宛てだぞ。
箱に戻しとけ。」


「なにさ。
銀ちゃんだって、勝手に中に入ってたケーキ、食べてるクセにさ。」


「いいんだよ、食いもんは。
胃袋に入れれば、証拠隠滅できるだろ。」


『でも、銀時。
さすがに可哀想っすよ。
新八のおかしい原因も、分かったし…。』


「愛、分かってんの?
これはアレだ。毒味だ。
だから、問題ない。

あ、ヤベ。
そろそろ新八来るな、戻そ。」


「あっ、ズルイヨ。
私、まだ一口も食べてないネ。」


神楽が銀時の持っていたケーキに手を出す。


「あー、お前ダメだって。
お前よォ。
なんか、最初からこんなカンジだった的な食べ方した、俺の計画がグダグダじゃねーか。

しょうがねーな。
もうちょっとココを削ろう。
お前も手伝え。愛もだ。
丸いカンジな、丸いちっちゃいケーキをてくるカンジな。」


「ウン。」


『こうかな?』


「いや、そーいう丸じゃなくて、円柱っぽく…。」


「ウン。」


『こうかな?』


出来上がったのは、小さな小さなケーキだった。


「銀ちゃん、ヤバイヨ。
ポッキー並みの、はかなさアル。」


「ポッキーが、何故うまいかしってるか?
それは、はかないからだよ。」


「そうかァ、だからヤクルトもオイシイアルか。」


「人生もまた、然りだよ。

よしっ、じゃっかたづけるぞ。」


「お前らをなァ!!」


銀時と神楽は、地面に叩きつけられる。


『新八、おはよう。』


「おはようございます…じゃねーよ!

なに人の郵便物、勝手に開封してんのォォ!!
人にはやっていいことと、悪いことがあるでしょうがァ!!」


「新八、お前。
いるならいるって、言えよ。
そうして、俺達を踊らせて楽しんでたワケか。」


「陰湿ネ!最低アル!」


「陰湿で最低なのは、オメーらだよ!!」


銀時が新八に言う。


「あの…アレだから。
別に何も見てないから、ケーキ食べただけだから。」


「ウン、別に手紙とか見てないヨ。」


「バカ!!」


「手紙!?」


銀時は新八に、ビリビリに破れた封筒を渡す。


「あの、コレ。
ちょっと破けてっけど、違うよ。
最初から、なんかこんなんだった。

別に、中とか見てないから。」


「ウン、別にデートとかしらないヨ。」


「アホ!!」


手紙を読んだ新八が、一人で何面相もする。


『新八、さっきのはごめん。
でも皆、新八のことが心配なんすよ。

だから、相談してくれて…新八?』


「愛さん、協力してください!」


新八は愛の手を引いて、外に飛び出した。
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