薄桜学園3年Z組

□あれ……?マジで、このクラス!?
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制限時間は50分。
彼らは逃げ切ることが、出来るのか?


『何だよ、この上の文章。
どこのサバイバル?
学パロで、ほのぼのネタじゃなかったの!?』


『本当だぜ、どうしてこんなことに……。』


蘭は急に立ち止まる。


『蓮、生徒会室に行くぞ。』


『えっ?何で。』


『風間は知らないんだよ。
授業に出てなかっただろ?』


『それは、出てない奴が悪い。』


『違ぇよ。
生徒会室には隠し通路があんだよ。』


『それを早く言いやがれ!!』


蓮と蘭のペアはUターンして、生徒会室へ走っていた。


――――――――――――

「とりあえず、僕達はどこに隠れましょう?」


「見つかりにくい場所なら、理解準備室とか?」


「千鶴。
そういった場所は、もう誰かが隠れている可能性が高い。
その上、坂田先生達も真っ先に探しに行くだろう。」


「そっ、そうですよね……。」


前を行く三人の後ろを、とぼとぼ歩く歳三。


「どうして、俺が参加してんだ……。」


すると、三人は一斉に振り向き言う。


「何言ってるんですか。
せっかく僕が、助けてあげたのに。」


「どうして逃げる必要があったんだよ。」


「狙われているのは、土方先生と総司、左之と風間である可能性が高いんです。」


まだ納得していない歳三に、千鶴が追い討ちをかけるように言う。


「蓮達とのこと、坂田先生達は良いように思ってないんですっ。
だから、邪魔しようとしてるんだと思います。」


「なっ?
てめえ、何で蓮と俺のこと!?」


「見てれば、千鶴ちゃんでも分かりますよ。
それより、早く移動しましょうよ。
気づかれかねない。」


歳三は複雑な表情で言う。


「俺は、あいつらの気持ちもわかる。
大切な妹なんだから、大事にと思う気持ちが……。」


「それは、知ってます。
それでも……。
蓮達の気持ちは、絶対に土方さん達と逃げ切りたいだと思いますから。」


千鶴は歳三と総司に微笑む。


「雪村、ここでは先生をつけろよ。
あっちとは違うんだからよ。」


「まあ、こっちもあっちも、お兄さん達の良いようには、絶対にさせないけどね。」


その時、人の悲鳴が聞こえる。


「なっ、何ですか!?」


「ついに始まったか。」


「かっ、かくれんぼですよね?
かくれんぼって、こんなスリリングでしたって?」


「さっきのは、新八さんかな?
御愁傷様。」


「お前ら、ついてこい。」


歳三が廊下の一角を叩くと、隠し通路が現れる。


「時間の問題とはいえ、ここが一番安全なはずだ。」


四人は下に降りていった。

それを見ていた男が一人。
男はそのまま走り去っていった。


――――――――――――


『はぁ……はぁ…はぁ。』


「すまねえ、新八。」


「永倉のおかげで、助かったな。」


「すみません。
同じ新八として、助けられませんでした……。」


そこにいたのは、椿に左之助、十四郎、志村の方の新八だった。


『あれ?
向日葵達は、どこに行ったんでしょうか?』


「まさか、はぐれちまったのか!?」


左之助は走って戻ろうとするが、十四郎が止める。


「今は止めておいた方がいいぜ。
見つかる可能性も高い上に、あいつらの見つかるリスクも上がっちまう。」


「そうですよ。
今は、原田さんが見つからないことが、向日葵ちゃんのためになるはずです。」


「くっ……。
やっぱ、どこも土方って人の話は正論だな。」


「え、僕はスルー?」


四人は近場にあった、調理室に立て込む。


「ここも時間の問題だな。
何とかしねーと。」


「ぐひゃっ。」


その時、新八が叫ぶ。


「どうした、志村?」


「なっ、何かこれが……。」


新八が指差したのは、地下通路への入り口だった。


「なっ、何だコレ?」


『地下通路ですかね?
でも、薄桜学園にこんなところが……。』


「とりあえず、こっから移動するのが一番なんじゃねーか?
鬼が知ってるかも分からねーし。」


そうして、四人も地下通路に入っていった。
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