光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十一 約束!!
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「さあ、ようやく塔が見えてきた。
こっからが正念場だ。」


「よっしゃあああ!!
いくぜェェエ!!」


その時、背後に気配を感じた。


「さっそく敵……!?」


「そこだ!!」


ナルトが投げたクナイは、巨大なムカデに刺さる。


『うっ…。』


「なんだぁ…ムカデか…。」


「フー……。」


「うわぁ、でっかい…。
きもちわる〜い。
あの足の数〜!」


「ナルトくん……。」


「ん?」


「ここからは、不注意な行動や不用意な物音は避けたい。
密林を象のような音をたてて、突き進めば。
自分たちがやってくることを、大声で警告しているのと同じ…。
かならず、熱烈な歓迎を受けることになる。

これからは、時間の許すかぎり…身を隠しながら、ゆっくり行くよ。」


「うん!」


「OK…。」


「ああ…。」


『了解…。
(っても、遅い気もするけどなぁ。)』


五人は森を歩くが、まったく進まない。


「もうダメ…。」


「サクラちゃん…!!」


「い…いったい、どれぐらい歩いたかな…。
ちっとも、塔が近くなんないんだけど…。」


『……おかしい。』


「すぐ目の前に見えるのに…おっかしいなぁ。」


「どうやらボクたちは、すでに熱烈な歓迎の中にいるらしい……。
ホラ…あそこを見てみろ。」


カブトの指差す先には、クナイの刺さったムカデがいた。


「あ…あれってば、まさか…。
ど…どういうことだってばよ!!?」


「幻術か……。」


『不得意分野、来たー。』


カブトも苦笑を浮かべる。


「そうみたいだな…。
完璧にハマってしまったよ。

どうやら、僕たちは細心の注意を払って…同じ所をグルグルと歩かされていたようだ…。」


「監視さるてるな…。」


「おそらく、このまま体力を削らせて、疲れきった時に、不意を突くつもりだろう。」


「だったら、もう敵の作戦通りだろ…。」


「じゃあ、そろそろ来るかな…。」


「ああ…。」


『ま、これで巻物が手に入りゃ、問題ないよ。』


五人の周りから、雨忍がたくさん現れる。


「お出ましだ…。」


「フン!ちょうどいいハンデだってばよ!」


「………かなりの数だな…しかも、分身か。」


『雑魚が、ワラワラワラワラと…。』


「な…何なの。」


「クク…袋のネズミだな。」


ナルトは雨忍に殴りかかる。


「いいぞー!ナルトー!!」


『再不斬の水分身みたい。』


しかし、分身は水分身と違い、千切れた所から分裂する。


「ナルトっ!」


写輪眼を発動させたサスケが、ナルトの背中に迫ってた腕に手裏剣を投げる。

分身は、投げようとしていたクナイを、サスケに向ける。
しかし、サスケの体が動かない。


「何やってる!!」


「サスケくん!!」


『っ?サスケ!!』



サスケの呪印が、広がりかけている。


「大丈夫?」


アズサがクナイを四方八方に投げる。


『みだれ髪、クナイver.って効かないか、やっぱり。
でも、クナイは本物…。』


「カブトさんが、ケガしたってことは、こいつら実物の影分身なのか!?

でも、影分身は直接攻撃受けたら、やられて消えちまうのに…。
消えねーこいつらは、やっぱ幻術なのか?
どっちなんだよ!!くそ!!」


ナルトは飛びかかろうとするが、サスケが止める。


「ムダだ、よせ!!
こいつらは幻影…敵の幻術だ…!」


「で…でも…カブトさんの傷は本物よ。」


「いや…サスケくんの言う通りだ。
おそらく敵は、どこかに身を隠し【幻術の忍】の攻撃動作に合わせ、別の場所から攻撃している。

あたかも、その【幻術の忍】が攻撃しついるかのように、見せるためにね…。」

「じゃあ、裏でクナイ投げてるバカ見つけて、ぶっとばしてやるってばよ!」


「でも…これじゃ、本当のクナイの出所がごまかされて…。
敵の正確な位置はつかめないよ………。
それが、こいつらの狙いさ。

この手の攻撃を好むのは……データ上、体術や接近戦に弱いタイプだ…。
本当の敵は…ボクたちが、完全に動けなくなるまで、出てこないよ。」


『とりあえず、攻撃かわすしかないってこと。』



「よーしィ…。
そっちが、そのつもりなら……。」


五人はクナイを避け続ける。


「もー!これじゃ、キリないじゃない!!」


『こそこそしないで、さっさと出てきやがれ!!』


「こーなったらぁ!!」


ナルトは印を結ぶ。


「やめろ、ナルトくん!!
チャクラの無駄使いはよせ!!
こいつらは攻撃しても意味がない!!」


「幻影をいっぺんにやっつければ、こいつらが元に戻る間は……。
敵もうかつに、クナイは撃てないってばよ…。
隠れてるところが、バレるからな!!」


ナルトは影分身で倒して行くが、一向に減らない。


「……!!くっそおおおお!!」
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