光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道三 Cランク任務!!
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カカシは、二人組を木に巻きつける。


「こいつら、霧隠れの中忍ってところか……。
こいつらは、いかなる犠牲を払っても、戦い続けることで知られる忍だ。」


二人組の片割れがカカシに尋ねる。


「…なぜ、我々の動きを見きれた。」


「数日、雨も降っていない、今日みたいな晴れの日に、水たまりなんてないでしょ。
アズサしか、気づいてなかったけど。」


「あんた、それ知ってて。
何でガキにやらせた?」


「私がその気になれば、こいつらくらい瞬殺できます…が…。
私には、知る必要があったのですよ…。
この敵のターゲットが、誰であるのかを…。」


その言葉にタズナは?を浮かべる。


「どういうことだ?」


「つまり、狙われているのは、あなたなのか。
それとも、我々忍のうちの誰かなのか…ということです。

我々は、アナタが忍に狙われてるなんて話は、聞いていない。
依頼内容は、ギャングや盗賊など、ただの武装集団からの護衛だったはず…。
これだと、Bランク以上の任務だ…。
依頼は、橋を作るまでの支援護衛、という名目だったはずです。」


タズナは下を向く。


「敵が忍者であるならば…迷わず高額な、“Bランク”任務に設定されていたはず…。
なにか訳ありみたいですが、依頼でウソをつかれると、困ります。
これだと、我々の任務外ってことに、なりますね。」


サクラが身を乗り出して言う。


「この任務、まだ私達には早いわ…。
やめましょ!

ナルトの傷口を開いて、毒血を抜くにも、麻酔が要るし…。
里に帰って、医者に見せないと……。」


「んー。
こりゃ、荷が重いな!
ナルトの治療ついでに、里へ戻るか。」


カカシが、そう切り出した。
ナルトは悔しそうに顔を歪めると、クナイを取り出して、傷口に勢い良く刺す。


『ナルト!?』


「(どーして、こんなに違う!
どーして、オレの方が。
いつも……ちくしょう!)」


「ナルト、何やってんのよ!アンタ!!」


「(オレってば、強くなってるはずなのに…。
どんどん任務こなして、一人で毎日、術の特訓もしてんのに…。

オレってば、もう二度と助けられるようなマネはしねぇ…。
おじけづいたり、逃げ腰にもならねェ…。
オレは、サスケにゃ負けねェ…。
アズサにも護られねェ。
この左手の痛みに、誓うんだってばよ…!)」


『ナルト……?』


「オレが、このクナイで……オッサンは守る。

任務続行だ!!」


アズサはナルトに笑顔を向ける。


『それでこそ、ナルトだ!』


「だろ!だろ!」


アズサに誉められ(?)ナルトも調子に乗る。
すると、カカシが満面の笑みで言う。


「ナルト…景気よく毒血を抜くのはいいが………。
それ以上は…出血多量で死ぬぞ


「ぬぉぉ!ダメ!それ、ダメ!
こんなんで死ねるかってばよ!!」


「ちょっと。手、見せてみろ。」


「ナルト!
アンタって自虐的性格ね。
それって、マゾよ!」


ナルトの傷を見て、カカシが目を細める。


「あのさ!あのさ!
………オレってば、大丈夫?」


「…ま!大丈夫だろ。」


タズナが口を開く。


「………先生さんよ。
ちょっと、話したいことがある。
………依頼の内容についてじゃ…。

…あんたの言う通り。
おそらく、この仕事はあんたらの“任務外”じゃろう…。
………実はわしは超恐ろしい男に、命を狙われている…。」


「超恐ろしい男…?
…誰です?」


「…あんたらも、名前ぐらい聞いたことがあるじゃろう。
海運会社の大富豪【ガトー】という男だ!」


カカシは目を丸くする。


「え…!?ガトーって……。
あの【ガトーカンパニー】の?
世界有数の大金持ちと言われる……!!?」


「そう…表向きは海運会社として活動しとるが。
裏では、ギャングや忍を使い、麻薬や禁製品の密売…。
果ては企業や国ののっとりといった、悪どい商売を業としている男じゃ。」


『ってこたー、話の流れから言って。
波の国もガトーって奴に牛耳られたってとこか…。』


「ああ。
島国国家の要である交通を【独占】し、今や富の全てを【独占】する、ガトー…。
そんなガトーが唯一恐れているのが、かねてから建設中の…。
あの橋の完成なのじゃ!」


サクラとサスケも話の流れを理解する。


「…なるほど。
…で!橋を作ってるオジサンが…邪魔になったって訳ね…。」


「じゃあ…。
あの忍者はガトーの手の者………。」


「………。」


「しかし、分かりませんね…。
相手は忍すら使う、危険な相手…。
なぜ、それを隠して依頼されたのですか?」


「波の国は超貧しい国で、大名すら金を持ってない。
もちろんワシらにも、そんな金はない!
高額なBランク以上の依頼をするような……。」


タズナの表情は曇る。


「まあ…お前らが、この任務をやめれば、ワシは確実に殺されるじゃろう…が…。

なーに、お前らが気にすることはない。
ワシが死んでも、10歳になるかわいい孫が、一日中泣くだけじゃ!!
あっ!
それにわしの娘も、木ノ葉の忍者を一生恨んで、寂しく生きていくだけじゃ!
いや、なに。お前達のせいじゃない!」


「ま!しかたないですね。
国へ帰る間だけでも、護衛を続けましょう!」


そうして、任務の続行が決まった。


軌道三 Cランク任務!!
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