光陰の弾道(NARUTO・サスケオチ)

□軌道十三 誓い!!
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『んっ……寝てた。』


アズサはサスケの顔を覗き込む。


『良かった。
ちゃんと寝てる。』


アズサが、ホッとした瞬間。
部屋の外で、人の倒れる音がする。


『えっ……。』


部屋に暗部の忍者が入ってくる。


「早く、逃げるんだ。
マズ……ぐっ。」


部屋に入ってきた暗部達は、一瞬で地に伏せる。


『なっ……。』


暗部を倒したのは、カブトだった。


『何してるの、カブトさん。』


「サスケくんを、殺しに来たんだよ。」


カブトは笑みを浮かべる。


「フー…。
優秀過ぎるってのも、考えものだね…。

ボクらは、目立ち過ぎた。
大蛇丸様の目に留まったのは、お互い不幸だったかな…。」


『大蛇丸……!?
また、アイツか!』


カブトはサスケとアズサに、一歩づつ近づいてくる。


『……それ以上は、容赦しないよ。』


「君は、僕が思っていたより、ずっと無謀だね。
君が僕に勝てると?

さっきの試合だって、僕が手を抜いていた事を、一番知っているのは、君のはずだ。」


『そうだね。
でも、だからって逃げる理由には、ならないから。
サスケは、私が護る。

それに、手を抜いていようが、何だろうが、勝ちは勝ちだよ。』


アズサは愛銃に手をかけようとするが、サスケを一瞥して、クナイに持ち変える。


「サスケくんに気を使って、君は僕に勝てるのか?」


『最悪、時間が稼げれば、それでいい。』


アズサはクナイを投げようとするが、その前に背後を取られる。


『早っ!?』


「これで二回目だ。
いや……三回目だったかな?」


カブトに腕を掴まれ、クナイを床に落とす。


「大丈夫だ。
君もすぐに行ける。」


カブトはメスを取り出し、サスケに近づける。
すると、そのメスを入り口の方に投げた。


『カカシせんせ!』


「さすが、カカシさんだ…。
ボクの死角からの攻撃を、止めるなんて…。」


「お前…ただの下忍じゃないでしょ…。
オレの気配に気付き、すぐに武器を構えるなんてのは…大した奴だ。」


「いや…それほどでも…。」


アズサはここぞとばかりに、腕を振り払い、クナイを持って、間合いを取る。


「サスケに何の用だ。
事と次第によっちゃあ…捕まえて尋問する。」


「出来ますかねェ…アナタごときに…。」


「その、ごときと…試してみるか…?」


部屋を、緊張感が支配する。


「お前は、何者だ?

お前…確か木ノ葉の忍医の息子だったな…。
うだつの上がらないダメ忍者で…名前はカブトだっけか?」


「………今度から、最低10人は…用意しておいた方が、いいですよ。」


カブトは笑みを浮かべる。


「黙って、質問にだけ答えろ。」


「【イヤだ】と言ったら?」


「質問してんのは、こっちだ…。
大人しく答えろ。
お前は……大蛇丸と繋がってるのか?」


「………今ここで、ボクを捕まえたら、大蛇丸との繋がりを証明できないかもよ。
…どんな拷問や幻術にかけられたって、ボクは口を割らないしね…。
それに、ボクはケンカはあまり、好きじゃないし…。

泳がせとけば、いずれ分かることなんだから…。
今回は、見逃してくれないかな…。」


「お前…わがままなガキだね。
どーも…。」


カカシはクナイを構える。


「…大人を、あんまりなめるなよ。コラ。」


「やっぱり、素直にゃ帰してくれないか。」


「この里の掟は、知ってるよな………。
スパイ行為は、どうなるか。」


「あまり偉そうにしないで下さいよ。
状況は、こっちが有利なんですから……。」


カブトのクナイが、サスケの首元に当てられる。
しかし、それをアズサがクナイで弾いた。


「なにっ!」


『射撃とクナイは、得意って言ってるでしょ。』


カカシはカブトを蹴り飛ばし、押さえつける。
すると、暗部の一人が部屋の外へ向かって、走り出す。


『まさか、入ってくる前には、もう……!?』


部屋の外に、カカシの影分身が立っており、カブトは挟み撃ちにされる。
すると、カブトは窓にクナイを投げる。


『逃がすかぁ!!』


窓の外に飛び出す直前、アズサのクナイがカブトの足に刺さる。
しかし、カブトは余裕の笑みで、下に落ちていった。


「くそ…逃がしたか。」


『これ……死魂の術って奴だよね。
文献でしか、読んだことないけど。』


「ああ……しかも、死体の顔は整形して、体臭まで消すとはな。
医療班長の養子として、育てられただけはある…。
死体をここまで、弄びやがって。

オレも、このままじゃあな…。」


アズサはカカシに頭を下げる。


『カカシせんせ。
私に、修行をつけてください。』


「アズサ?」


『このままじゃ、私はサスケを護れない。
それじゃ、ダメなの。』


すると、カカシは笑みを浮かべる。


「オレが、お前にプレッシャーをかけすぎたかな。
アズサは、そのままで大丈夫だよ。
それが、サスケを支える力になる。

まあ、どうしてもって言うなら。
考えといてやるよ。
とりあえず、焦らず慎重に。
忍の鉄則ね。」


『はいっ!』


軌道十三 誓い!!
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