紅い瞳

□わがままな彼
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「テンゾウ〜 茶ぁまだぁ?」


暗部専門待機所の椅子にふんぞり返りイチャパラなる怪しい本を片手に 僕に茶を淹れろと催促する カカシ先輩


「今 お湯沸かしてるんだから待ってて下さいよっ!!・・・・・・ったく・・・先に居たならお湯ぐらい沸かしといてもいいのに・・・」
ブツクサ言う僕に


「あ"?!何か言ったっ?」


「いえ、何も・・・・」


少しばかり機嫌が悪いらしく、僕は口にチャックをした。



「あっ!・・・・グラスに氷いっぱい入れてから その中に濃いめに淹れた茶注いで」

・・・小姑ですか?


「少し蒸らしてからだヨっ!!」


解りましたよと言うも、内心・・・小姑間違い無しの烙印を先輩に押した


これで希望通りにしないと 怒るのは目に見えてる



暫くして湧いたお湯を茶葉の入った急須に注げば最高級玉露の良い香り

蒸らしてる間にコップに溢れんばかりの氷を投入

コップに玉露を煎れれば、氷は半分以上が溶けたから又少し氷を入れて



先輩の元に持って行き 「どうぞ」と テーブルに差し出し横に座ると


「やればデキルじゃないのよ」


ふふんと口端をあげて笑い
本をテーブルの上に置くと
グラスを口に運ぶ先輩
茶の濃さが解らないからまた何か言われるんじゃないかと ドキドキしながら 先輩を見てたら


「・・・テンゾウも飲みたいの?」


と聞いてくる



「いや・・・美味しく煎れられたか不安で・・・ハハ」

と苦笑いすれば


「ん〜 美味しいけど 何か足りないねぇー」

と 考え込む先輩は 「あっ!?」 と 思い出したように もぅ一回グラスの茶を口に含み


横に座る僕の頬を両手で挟み顔を近付け


「・・・ん・・・・・・・・・・ゴクリ」


お互いの喉が鳴り


「ヤッパリ お前と飲まなきゃ美味しくないっ」


クスクス笑いながら 唇を離す先輩
「/////・・・・せ・・・・先輩・・誰か来たらどぅする・・・・・ゴクッ」


誰か来たら冷やかされる事間違い無いから抗議すれば、また茶を口に含む先輩にまた飲まされ・・・



上目使いで先輩を睨めば

「・・・それにミンナ出払ってるから当分帰ってこないよ〜」

と怪しい笑み


って もしかしたら・・・・・隊長の立場を利用してミンナに厄介な用事を押し付けたんじゃ・・・・・


疑惑の眼差しで先輩を見れば


「・・・なにヨ?」


と残りを飲み干す先輩は

「テンゾウ今度は珈琲飲みたい!さっきの要領で作って!ねっ」


「やです。先輩が作って下さい。僕が飲みますから」


「えー?俺珈琲いれるの下手だしぃ、俺はテンゾウが煎れたの飲みたいのヨ?」


惚れた弱み


「ホントに?///」


「当たり前でショ」


綺麗な顔でニッコリ微笑むから


「わかりました!」


ドコまでも先輩の言う事を聞いちゃう僕って・・・


・・・ヘタレかな・・・・・はぁ〜



でも・・・
わがままな先輩に振り回されるのも悪くないな

と思う
テンゾウ19歳の初夏だった。




'20100712
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