戦国BASARA

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ゆっくりと眼を開けた。

―生きて、る―

奥州筆頭伊達政宗は自分がまだこの世に生がある事に驚いた。眼を開けた政宗をみた部下達はしきりに「筆頭、筆頭!」と部屋にこだまさせた。

『…夢でも見てやがったのか…』

しかし、意識を戻した政宗の記憶にあったのは、豊臣の懐に飛び込んで、互いを交えた瞬間に散った自分の惨めな敗北。そこまで。


『…何で生きてるんだ…』

――おれ。

「筆頭…! 筆頭は先の戦いでとっくにぼろぼろだったのに…豊臣に向かって行って…!」


泣きそうな表情で語る部下達。豊臣にまるで雑巾のように投げつけられた筆頭を「絶対に守らなきゃ」と、ぼろぼろになった政宗の上にみなで重なりあった事。
そうしたら、豊臣の攻撃が止んだ事。そして政宗を奥州に連れ帰り必死に介抱した事。政宗は静かに部下の報告を聞き、最後に『そうか…Thanks』と部下達を労った。

そして、横になっていた体をゆっくりと起こす。

『全く…美人な仮面野郎も、猿山の大将も詰めが甘ぇぜ…』

ちっ、と舌打ちをしつつもしっかりと前を見据えて言う。そして、『何か食いもんはあるか』とまだ癒えぬ傷を差し置き、すくりと立ち上がる。その目は「打倒豊臣」をすぐに思わせた。


――待ってろ小十郎。必ず助けに行ってやっからな…!




 

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