にまんだっ

□兄弟ですから
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殆ど会話文です













「ぜっっっったい行かない!!」


「仕方ないじゃないか、せっかく貰ったんだから…」


「やだっ!!!!」




何やらもめている風丸兄弟

兄である闇丸(通称)は弟の風丸に手を引かれ
それに抵抗しようと床に座り込みながズルズルと引きずられている


そして風丸の手に握られているのは
おどろおどろしい血文字のレイアウトでタイトルの書かれた二枚のチケット



「使わなかったら勿体無いじゃないか、映画チケットだって安くないんだから…」


「何で俺らなんだ!?父さんと母さんで行けばいいのに!!」


「父さんも母さんも今日は仕事だし、チケットの期限は今日までなんだよ
そんなに怖いのか?」


「ば、馬鹿言うな!怖いわけあるか!!
いちの方こそ、怖いの苦手なんだろ!?心配してやってるんだよ!!ハハッ!!!」


「いやなんかもう顔がだんだん崩れてきてるから!崩壊してるから!

…俺だって苦手だけどさ、くれた人の行為を無駄にするわけにも…」


「出たよ母さん譲りの勿体無い病!!そんなんどーでもいいじゃん!」



「……分かった、じゃあ円堂とい「行ってやろうじゃねええええかああああああああああああああああ」ええええぇぇ…」












「よし、飲み物も買ったし、時間もそろそろ…」

「…………」


「ちょ、兄貴すごい汗!目が虚ろになってるぞ!?」

「馬鹿か!!俺はいちのフォローに来ただけだ!!ホラー映画にガクブルするいちを慰めに来ただけなんだからね!!」


「何で最後ツンデレ…、やっぱり無理しない方がいいって…映画より兄貴のが怖くなってきたよ…てか兄貴ってこんなに怖いの苦手だったのか?」


「だから怖くねぇって言ってんだろ!!俺は強くなったんだああああ!!!」


「黒歴史ぇ…」







ガチャン



「じ、地獄の扉が…」


「映画館の扉な
我慢できなきゃ目でも瞑ってろよ?」


「フ、フン…」











「…………」


ガタガタ


「(あ、兄貴!貧乏揺すり!貧乏揺すり止めて!!)」





や、やめて…来ないで…


あ、あ゛ぁ…あ…



キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア「ぎゃああああああああああああああああ※☆@*$fgひゃ%#mpkああああああああああああああああああああ!!!!」


「兄貴声デカい!叫びすぎだよ!!」




う゛ぉ…あ゛あぁああ…

グチャッ ベチョ


ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



「もうやめて待って止めて死ぬ殺されるいやもういっそ殺して下さい助けてくださいひいいいいいやああああああああああああごめんなさいスミマセン申し訳ございません許してくっそチクショウバカヤロ殺すぞゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」




「お客様!他のお客様のご迷惑になりますから!!」










「結局まともに見れなかった…」


「グズ…う、ぐ……」


「兄貴…ごめんな、無理させちゃって…」


「だがら゛…む゛り゛なんが…じでな゛い゛ぃ……うわああぁ…」ぎゅううぅぅ


「よしよし…(まさか、兄弟とはいえ兄貴がここまでホラー系苦手だったとは…)」なでなで








やっぱり兄弟ですから







END





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