頂き物

□雪うさぎと雪だるま。と、もう一つ。
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雪うさぎと雪だるま。と、もう一つ。


珍しく雪が降った。
そして、かなり積もった。
東京では珍しいことで、妙にわくわくしてしまう。

「雪積もってますよ!風丸君!」

…研崎様がわくわくしている。
小さい子みたいに目をキラキラさせて窓にへばりつく姿が、なんだか可愛い。
きっと犬や猫なら、間違いなく尻尾が大きく揺れてる。

「研崎様、小さい雪だるまなら作れそうですよ」
「作りましょう!!」

普段からは想像もつかないような勢いで返事が返ってきた。

「と、とりあえずコートを着てから外に出ましょう」
「そうですね、寒そうですし」
「(雪積もってるから寒いって…)あ、手袋も…」

言い終わる前に研崎様は外に出ていた。
まったく、中学生の俺よりはしゃぐなんて。
でもそんな一面も持っている研崎様に、またドキドキする。



研崎様の手袋を持って外に出ると、すでに雪だるまが一つ出来上がっていた。
積もった雪の量が少ないからやっぱり小さいが、とてもバランスの良い雪だるま。
芸術的、って言葉がぴったりだろう。

「あ、風丸君!遅いですよ!」

振り返ってニコニコと笑う研崎様。
本当に子供みたいにはしゃいでいる。

「研崎様手真っ赤じゃないですか!」

素手で雪に触っていた研崎様の手は真っ赤で、冷たくなっている。
その手をぎゅっと握ると、研崎様はくす、と笑った。

「風丸君、お母さんみたいですね」
「え!?」
「ふふ、何となく思っただけですよ」

顔に熱が集まる。
お母さんみたいと言われたのは何だか複雑だけど、研崎様の笑顔にドキドキした。

「うーん、やっぱり変ですね」

研崎様は足元の雪の塊を見た。
石が2つ、目のようについている。

「これは?」
「雪うさぎ、のはずなんですがね…」

耳が無いせいか、雪の塊にただ石を2つ乗せただけに見える。

「すぐ溶けるでしょうし、これでいいです」

研崎様の作った雪うさぎと雪だるまを眺める。
綺麗に作られた雪だるまの横にある、中途半端な雪うさぎ。
プロと素人の作品を並べたような光景に、思わず笑ってしまった。

「あ、今笑いましたね?」
「笑ってないです。…くすっ」
「ほら!笑ったじゃないですか!酷いです!」

研崎様が笑いながら怒っている。
滅多に見ない光景。
研崎様って、中身は案外子供なのかもしれない。

「今日中に溶けるでしょうね」
「写真撮っておきましょうよ!」

携帯を出して、雪うさぎと雪だるまを撮る。
こうすれば、溶けても大丈夫。
また一つ、思い出が増えた。

「風丸君」
「はい?」
「冷凍庫に入れちゃダメですか」
「ダメです」

即答して研崎様を見ると、子供のように頬を膨らましていた。
まさに、ぷぅ、と。
そんな研崎様が可愛くて、写真を撮った。

「な、何を撮ったんですか!?」
「内緒です」

普段のかっこいい研崎様も素敵だけど、たまにはこんな風に可愛い研崎様もいいな。
手のかかる子供みたいに、わがままな一面もあるかもしれない。


研崎様の作った雪うさぎと雪だるまみたいなギャップを研崎様に感じながら、写真を保存した。


また、雪が積もりますように……






――――――――

あああああかわいいいいいいいい研崎様あああああああああああああああ!!!!←
琴春様にマジでスゲー感謝!!はなぢが止まらんぜ(//^^//)
 

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